10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
年明けそうそう大騒ぎです。
発覚したのは年末なのに年明けてからの話ではすでに昨年(2010年)の春にはニーダーザクセン州は承知していたとか・・・。5000に上る農場の閉鎖、8000羽以上の屠殺処分・・・。被害は広がる一方です。
農業省が発表した現時点で分かっている数字は3000トンに及ぶダイオキシン汚染工業油が25飼料会社に行き渡り、最低でもニーダーザクセン, シュレスウィッヒホルシュタイン, ノルトラインウェストファーレン, テューリンゲンの4州に広がったと言う事です。一番の被害はニーダーザクセン州。このダイオキシン入り脂肪酸はバイオディーゼル製造会社から手に入れたものだと言う事です。
そこから15万トンの飼料に混入。何千件もの養鶏、養豚農場が安全のため一旦閉鎖の憂き目に会います。鶏肉や豚肉の買い渋りも目立ちます。
そもそもダイオキシンはどうやって玉子や餌に付着したのでしょうか?北ドイツにあるシュレスウィッヒ・ホルシュタインのH&J(仮名、1月12日破産申告)飼料会社が間違えて工業用の脂肪酸を混入したのがそもそもの原因と言われています。この会社では鶏、牛、豚などの飼料を作っています。12月末H&J社はキール(シュレスウィッヒ・ホルシュタイン州都)とハノーバー(ニーダーザクセン州都)当局にダイオキシンの過剰濃度の申告をします。この工業用脂肪酸が誤って混入されたのか、あるいは故意だったのか、議論を呼んでいます。飼料用の脂肪酸よりも、工業油の方が安いのが憶測の元になっています。
これだけ出回っていたらすでに食べてしまったと言う人も多いでしょうね。現時点ではしかし、サルモネラやBSEのように心配はしなくても良いそうです。今回の騒動で検出されたダイオキシンは1gの脂肪から最大で3ピコグラム(3兆分の1グラム)これはEUの出す基準値に収まってはいます。実際に体重15kgの幼児が最大級にダイオキシン汚染された玉子を食べても1日の摂取可能量を越える事はないそうです。恐いのは、取り込んだダイオキシンが体の中に蓄積していく事。動物性食品、魚、肉、乳製品などからは極微量ながらどれだけ検査を通してもダイオキシンはついていきます。 脂肪組織と肝臓にくっついたダイオキシンは分解する事がありません。加齢と共にダイオキシンは体の中に溜まっていきます。
ダイオキシンが強い毒性を持つことは知られていますが、一番危険、かつ一番知名度が高いのはTCDD、1,976年、イタリアのセヴェソで起きた事故からセヴェソ毒とも呼ばれます。その毒は動物実験では体重1kgに対して100万分の1グラムで殺傷力が認められています。皮膚がケロイド状になり、がん細胞を活性化させます。
ちなみに2004年にダイオキシンで暗殺されかけたウクライナの政治家ユシュチェンコ氏の体内ダイオキシン濃度は通常の約50000倍だったそうです。よく生還できたものです。
渦中のアイグナー農相はといいますと「今後2度とこんな事が起きないように」と監視を徹底させると発表しています。例えば工業用と食料用の加工は工場の場所を変える、工業用には着色する、といった具合です。
スーパーの玉子は「室内飼い(Bodenhaltung)」「放し飼い (Freilandhaltung)」「有機玉子(Bioeier)」というランクわけがされているのですが、一番安い室内飼い玉子が山となって売れ残っていました。
放し飼いの養鶏を営み、餌も100%安全保障されているさる研修農家の家では「玉子が爆発的に売れています」・・・恩恵を被る農家もあるようです。
食品スキャンダルが出るたびに思うのですが、「喉もと過ぎればなんとやら」というやつで、1つの事件が風化する頃にまた次の何かが発覚している気がします。「安全で美味しい物」にはそれなりの値段がある、ということを消費者が根本的に理解するまでこういった騒ぎは延々と続くのではないでしょうか・・・。
いくら安いといっても、安いなりの理由があるわけで・・・。自分のお財布も寂しいので、食べ物に散財しろというつもりはないのですが、後からかかるお医者さんの料金、お薬の料金、その他リスクを考えるとやはり「安全をそれなりの値段で買う」というスタンスがベストなのではないかと思うのです・・・。
久しぶりの農業情報更新のつもりだったのに、書くうちに主観的になってしまいました。すみません。次回は冷静にいきます。
ニュースソース:spiegelonline
いつも応援のクリック、ありがとうございます。
年明けから天気は波乱含みです。
観測史上の記録を塗り替えた12月の大寒波。年が明けてしばらくはごらんのように真っ白でしたが、
七草粥の時期を過ぎた頃から気温はあれよあれよと言う間に上昇、今はもう春の陽気です。気温だけは。最近の気温では15度。一月にはありえない天気です。
温度が2度、3度・・・と上がっていっても凍り付いていた為かなり根強く残っていた雪ですが10度も越えると流石にアウト。 それに反映してライン川など川が溢れています。溢れている、というとまだ害が少ないように聞こえるかもしれませんが、実際に堤防崩壊というような危険な状態というわけではなく、川沿いに住む人たちには一時外出禁止令が出ましたが現在は解除されているようです。
人々の関心も困惑というより興味深々ムードが高いような・・・? わざわざ何十年ぶりかに溢れ返っているライン川を見ようと黒山の人だかりも見受けられました・・・。
そんな騒ぎも一段落、ようやく水が引き始めたと思ったら今度は北のNiedersachsen州のほうに洪水が広がっていくようです。
ちなみに今朝温度計を見ると5度でした。相変わらずの雨です。
・・・こんな調子で作物ちゃんと育つでしょうか・・・。
いつも応援ありがとうございます。
【引用】
風の中に立ちなさい。
大人って何だ?大人とは、一人できちんと歩き、
自分と自分以外の人にちゃんと目をむけ、いつでも
他人に手を差しのべられる力と愛情を持つ人だ。
簡単に言ったが、そういう人間になるのは大変だぞ。
君が大人になるためにひとつ助言をしておこう。
ホモサピエンスは世界を一人で歩くこと、見ることで
すべてを学んできた。これは千年先も変わらぬ大人
への授業だ
まずはケータイを置きなさい。インターネットを閉
じなさい。テレビを消しなさい。パスポートを取得
して、一番安い乗り物ですぐに日本を発ちなさい。
目的地は? どこだっていい。
この国以外の、風の中に立ちなさい。
世界を自分の目で見ることから始めなさい。そこには
君がインターネットやテレビで見たものと全く違
う世界がある。目で見たすべてをどんどん身体の中に
入れなさい。そこに生きる人々が何を食べ、何を
みつめ、何を喜び、何のために汗をかき、なぜ泣いて
いるのかを見なさい。ともに食べ、ともに笑い泣き
なさい。それだけで十分だ。
でもラクな日々ではないぞ。苦しい中にこそ本物は
あるんだ。
やがて帰る日が来た時、君は半分、大人になっている。
その時こそ、本当の大人への祝杯を上げよう。
二十歳の出発に乾杯。
伊集院静
********
と、言うことで、引用いたしましたが、書道家武田双雲氏がブログで取り上げておりました。
S Blog
『新社会人おめでとう』伊集院静 今朝の日経朝刊サントリー山崎の広告
海外を知ることは、必ずしも知見を広めることを目的とするとは限りません。自分を見つけるために海外を目指すことだってあるのではないでしょうか。若いまだ社会的に自由がある頃に、色々なことを試してみることが大切だと思います。
(A.K.)
Merry Christmas!
今年の冬は本当にすごい雪ばかりで、ボンに住み始めて10年になりますが、初めてのホワイトクリスマスになりました。
電車も不通、飛行場も閉鎖、そんな中普段5時間の道のりを9時間かけてお客さんが車でやってきてくれました。高速道路は見たこともない大雪で、除雪車が全然追いついていない状態だったそうです。
ヨーロッパのクリスマスは初めての現役研修生も多いと思います。雪がこれだけ降り積もったのは特別としても、このしんとした感じは毎年恒例です。きらびやかな日本のクリスマスとはかなり違うでしょう?
クリスマスは家族一緒に静かに過ごす日です。日本のようにお店が開いてるわけでなし、どうしようと時間を余している人もいるかもしれません。今年1年を振り返るのによい機会です。欧州人に倣ってのんびり過ごしてください。
それでは皆様どうぞ良いお年をお迎えください。
(MI)
今年はろくに更新もしないでごめんなさい、まだ生きています。 来年はもっといろいろな農業情報をお送りできるようにしたいと思いますのでどうぞよろしくお願い致します。