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公益社団法人国際農業者交流協会欧州支部のブログ ドイツより農業と若者の夢お届けしています
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JAEC欧州支部
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JAEC Europe
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非公開
自己紹介:
ドイツのボンに事務所を構える公益社団法人国際農業者交流協会欧州支部です。

本ブログはA.K.及びM.I.2名が執筆しています。今日はどちらが書いているかな?

本ブログについてはこちらを参照下さい。
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・・・と言っても3種類しか取り上げませんが。汗

前回の記事とかぶるようですが、今ドイツではもともと盛んだった反原発運動があちこちで繰り広げられています。自分の住む町ボンでも月曜の夕方などデモ行進をやっています。人は歩いていくうちにどんどん増える傾向にあります。
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町のあちこちにあるプラカートの1枚です(横向きですが・・・)

ちなみにドイツで使われる電気の約23%は原子力発電所から来ています。

ボンの隣のケルンでデモする若者に聞いてみました。「原発が賄っている分はどうするの?」「別の国から買えばいいんだよ、東欧でもフランスでもいいじゃない」・・・。例えばフランスなどですと供給される電気はやはり原子力発電所ということになるのでは・・・。(2008では消費電力の実に7割が原子力発電なのですが・・・)

(フランス、ドイツ、日本、アメリカ、イギリスと消費電力の多い順に並んでいます)


「いいんだよ、ドイツからなくなれば、この州からなくなれば」ちなみにNRWには現在も発電している原子力発電所はありませんが、オランダ国境沿いのG町にはウランの濃縮工場があります。

 
電力消費のその他内訳ですが、1990年からは再利用可能なエネルギーが4倍に伸びています。代表的なのはソーラーパネルによる太陽熱発電ですね。2010年では16,9%の電気が再利用可能なエネルギーによるものだったそうです。

(ドイツ統計局調べ)

 

原子力に変わるエネルギーとして主に上げられている太陽熱、風力発電ですが、それぞれ一長一短(コストの問題、エネルギー保存の問題等)のようですぐに切り替え、というわけにはとてもいかないようです。

 4a565d3b.jpeg

記事とは関係無いですが、春です。4月の温度差には(昨日15度で今朝は5度です)閉口しますが、あられが降っても、温度差が急でも、花は綺麗に咲いています。

 



 

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ドイツの風力発電連盟(Bundesverband WindEnergie e.V.)の記事より。

***********
風力エネルギーはドイツの総電力の65%をカバーできるという新しい研究結果がある。大陸からの風(オフショア)にはポテンシャルがまだありそうだ。

ドイツ、ハノーファー。海からの風(オンショア)のみでドイツの電力需要の65%が賄われる。
この研究結果は、風力エネルギー連盟(BWE)の依頼でフラウンホーファー風力エネルギー技術研究所(IWES)が調査したものだ。

研究者のさまざまな調査に基づき、ドイツのどの地域の風力が利用可能か決定した。それに基づいてIWESは風力発電の可能性のあるドイツ国土の2%をはじき出した。

最終的には、
「この2%の面積で現在の施設能力を用いてでも198ギガワットの出力があり、毎時390テラワットを得ることができる」という結果を導き出した。
過去の電力需要は、毎時600テラワットなので、オンショア風力で65%を賄う事が出来る計算になる。

BWE会長のヘルマン=アルバースは原子力の背景を汲みしながら研究結果を次のように評価している。
「持続可能なエネルギー生産は難なく原子力発電と置き換わることがでる。風力発電の潜在能力は現在の原子力発電より本質的には大きい。現在の原子力では毎時140テラワットを生産しているにすぎないのですから。」

さらに重大な研究結果がある。
現在各州で使われている風力発電では潜在的な能力を十分引き出しきれないというのだ。
もっとも有効なところでバイエルン州の毎時80テラワット。3位では毎時45テラワットでバーデンブルテンベルク州。どの州を比べてみても、現在のやり方では先が見えている。

「研究によれば、ドイツの風力発電の底力はまだあることになる。南部ドイツではいよいよ本格的に風力発電に力を注ぐ時が来たと言えます。
風力発電は現在ドイツで最も導入コストが安いエネルギー。もしも本格的に持続可能エネルギーへの転換を加速する必要があるならば、エコロジーだけを考えるのではなく、価値ある経済活動を拡大するべきです。」
アルバース氏はそう強調する。

発電効率についてIWESの研究では、風力発電機は3メガワットクラスの装置であるという。場所によっては風力発電機は高さ100メーターから150メーターにもなる。

風力発電機の平均では、利用効率は2000単位(全負荷時間)となる。
「風力用タービンは特に経済的なので、旧来型から2メガワットクラスの、いわゆるお手頃な物に取り変わってきています。より効果的に発電するためには、大きなローターと高い塔が必要で、REpower社であれば、3.2M114型や3.4M104型があります。」
と、今回の研修に関わった同社のアンドレアス=ナウエン氏。

「さらに例を出すならば、3.2M114であれば、塔の高さ147メーター、ローター93メーターで、コンスタントな弱風であっても50%程度のエネルギー効率が見込めます。」

目下4月15日に予定されている首相とエネルギー担当相との政策会議について、アルバース氏は、
「議題は主に高さ制限のある風力発電機の撤去に焦点が絞られるでしょう。それは発電機の効率を上げるためのガス抜きとなる非常に価値ある処置ではないでしょうか」

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日本の原発がこれだけ大きな問題になる中、ドイツではますます風力など継続可能エネルギーへの追い風となりそうな雰囲気ですね。
(A.K.)



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今日はニュースそうすから一つ紹介です。原文を忠実に訳していませんので、あしからず。(あ、でも嘘は書いていません)

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succarde.jpg

入れるか入れないか、黄緑色のレモン皮の砂糖漬けとオレンジ色のオレンジ皮の砂糖漬け(通称サッカード:Succarde)。


「皮の砂糖漬けを入れてケーキを焼くか焼かないか」という問題は、ドイツの家庭で毎年議論される永遠のクリスマスのテーマ。

レモン製にしてもオレンジ製にしても、驚異的に甘ったるく、とてもそのまま食べられる代物ではありません。
しかし、これらを生地に練り込んだシュトーレンやレープクーヘンなど、代表的なクリスマスのお菓子は、素晴らしくおいしくなるのです。

ドイツ語ではレモンの皮の砂糖漬けが、ツィトロナート、オレンジの方がオレンジェート、なーどと呼ばれていますが、レモンやオレンジから作られているわけではないようです。
 
ツィトロナート;
ツェドラートなる木から採れる黄緑の果実の皮から作ります。これは「薬のリンゴ」とも呼ばれるらしいです。南イタリアやモロッコ、プエルトリコなど、あたたかい地域で栽培されているもので、果実は3キロにまで成長し、中身は少なく、皮がえらく分厚くなっています。ツィトロナートの他にもジャムやリキュールを作ることができます。

そんな実の構成だと、ちょっと損した気分がしそうですね。

オレンジジェート;
ビターオレンジから作られるそうです。ビターオレンジとは、つまり橙ですね。橙の味は、イギリスのビターオレンジマーマレードの味を思い浮かべればいいそうです。

(日本人なので、橙を思い浮かべればよろしいかと存じます)

やっぱり皮が厚ぼったいので、皮の砂糖漬けになるのですね。



ツィトロナートとオレンジェートは、砂糖によって結晶化してしまうので、数日間塩漬けして柔らかくします。

(どっちみち漬けられてしまうのですね)

今度は砂糖水に入れられ煮詰められ、さらに砂糖の上をゴロゴロところがされます。
そして最後はサイコロ状に小さく刻まれて完成です。

さて、それではクリスマスのお菓子作りにお一つどうぞ。

ちなみに、サッカードの7割程度が砂糖でできているそうです...。

でしょうなあ、こんだけ砂糖漬けすれば。
 
ソースAgrar top

(A.K.)

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Hallo, lange nicht gesehen. Ich bedanke mir f. eure Crick!
昨日、ノーベル賞の受賞が報じられた日本の2名の科学者、根岸先生、鈴木先生、おめでとうございます。

今回の受賞で、両先生の世界の一線での活躍が認められたという事になるのでしょう。素晴らしいことです。
今日の日経新聞に、根岸先生の受賞のコメントが全文で載っていました。

その中で、「日本の若者の科学離れが言われて久しい」というテーマでの質問に、

「かつては人本の若い研究者が頻繁に(根岸氏のアメリカにある研究室を)訪れていたが、最近はほとんどいない。『若者よ、海外に出よ』と言いたい。日本が居心地がいいし、海外の(研究機関の)方が優秀とは限らない。しかし日本を外から見る機会がこれからますます重要になる。日本はもっともっとノーベル賞を取っていいと思う。その為にはそれなりの努力が必要。今後はその役にたつ活動をしたい。」
≪日経新聞オンライン抜粋≫

というコメントがあり、外国に出て学ぶことの大切さを実感された方何だろうと思った次第です。

海外農業研修の中でもほとんどの人が「実感する」日本を離れてみることの大切さ。それは、時として漠然とした説得力しかない「良さ」かもわかりませんが、確実に人間の成長を促す大切な機会になります。

例えるならば、海外へ出て自分を試すのは、親元を離れて自立する子供のようなもので、もっと社会的にそして哲学的に高める為のイニシエーションなのではないでしょうか。

「若者よ、海外に出よ」

本当に、ほんとうに。
(A.K.)

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また一軒、ドイツの酪農家が辛酸を舐めることになったようです。

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ハイマーツハイマー町の最後の酪農家、ヘルマン=ミルゲラーさんは愛する乳牛たちを処分する事にした。
~1リットル20セントの現状~

スウィスタールハイマーツハイマー町

全体的に見れば良いこともある。

明日からは朝5時半に寝床から這い出して牛小屋で搾乳しなくて済むのだ。
「(酪農は)もはや本当に意味が無いことですから」
とミルゲラー家は言う。この家族が酪農業をリタイアしたことでハイマーツハイマーから最後の酪農家が消えた。この地域は40年前には28軒も酪農業に従事する家族があった。ミルゲラー農場では知人を伝に大切にしてきた乳牛たちを少しずつ売っている。食肉センターになんて出したくない。

「1964年に酪農家をはじめたとき、1リッターの乳価は80ペニヒでした」59歳になるマンヨゼフ=ミルゲラーさん(ヘルマンさんの父)は言う。今年6月、乳価は20セントにまで落ち込んだ。それでも高く見積もっての数字だ。「もう利益なんかない。むしろ損している」という。

彼らは乳業会社へ二日に一度800リットル出荷している。これによって月々2400ユーロを手にする。しかしここから濃厚飼料代1000ユーロ、グラスサイレージ代800ユーロ、光熱費200ユーロが月ごとに引かれ、さらに獣医を呼ぶ為の費用が掛かってくる。その上22頭の飼育している肉牛にかかる費用(えさ代など)は上記の経費に含まれていない。1日14時間労働で夕刻まで働くことも少なくない。(ドイツ人なら当然取る)休暇なんてミルゲラー家にはありえない。

彼らは「ディスカウントショップなど大手が牛耳る農政のせいで小規模な乳業会社が壊されている」と考えている。それがために大きな酪農家はさらに大きくなる。

ハイマーツハイマーを含むラインジーク市には現在5月現在で282戸の酪農家があり、13232頭の乳牛がいる。

ヘルマンさんはEUの東方拡大も取り上げ、東欧だったらならば生活費がドイツより安いので乳価20セントで生き残れるだろうと言う。

父子は今後酪農の代わりに肉牛主体の営農を考えている。ヘルマンさんは2007年1月から農場を後継しており、他にも70頭の羊と若干の山羊も所有している。いずれにしても早いうちに状況を安定させ母親のケーテさんを安心させたい。

彼らは現在牛乳を近隣の町の農家から購入しており、そこにも何頭か乳牛を買い取ってもらったと言う。


参照:General Anzeiger 2009年8月27日“Das lohnt sich nicht mehr”
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ドイツでは、中小規模の酪農家を生き残らせる為の農政策は講じられません。

理由は色々あるのでしょうが、政治家も官僚も結構シビヤな感覚で酪農業を見つめているのだと思います。

そして、やはりミルゲラーさんたちの指摘するとおり、ディスカウントショップが幅を利かせて牛乳の小売値段を操作しているのが問題のような気がします。

・・・中間マージン取りすぎだと思います。
(A.K.)

参照までにで26日のハイマーツハイン町周辺小売店での牛乳1リットルの値段を紹介します。

・カイザース【スーパー】 ・・・0.99EUR(有機牛乳)
・プルス【ディスカウント】・・・0.48EUR(ホモ牛乳)
・アルディー【大手ディスカウント】・・・0.89EUR(有機牛乳)0.48EUR(ホモ牛乳)
・エデカ【大手スーパー】・・・0.99EUR(有機牛乳)、0.48EUR(ホモ牛乳)
・トーム【スーパー】・・・0.99EUR(有機牛乳)、0.48EUR(ホモ牛乳)
・ペニー【安売りスーパー】・・・0.89EUR(有機牛乳)、0.48EUR(ホモ牛乳)
・リーデル【大手ディスカウント】・・・0.48EUR(ホモ牛乳)



以前のエントリーでも乳価について取り上げています。ご参照下さい。
バターと牛乳の価格
酪農家の全国一斉ストライキ
牛乳激論再燃

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