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また一軒、ドイツの酪農家が辛酸を舐めることになったようです。
**********************ハイマーツハイマー町の最後の酪農家、ヘルマン=ミルゲラーさんは愛する乳牛たちを処分する事にした。
~1リットル20セントの現状~
スウィスタールハイマーツハイマー町
全体的に見れば良いこともある。
明日からは朝5時半に寝床から這い出して牛小屋で搾乳しなくて済むのだ。
「(酪農は)もはや本当に意味が無いことですから」
とミルゲラー家は言う。この家族が酪農業をリタイアしたことでハイマーツハイマーから最後の酪農家が消えた。この地域は40年前には28軒も酪農業に従事する家族があった。ミルゲラー農場では知人を伝に大切にしてきた乳牛たちを少しずつ売っている。食肉センターになんて出したくない。
「1964年に酪農家をはじめたとき、1リッターの乳価は80ペニヒでした」59歳になるマンヨゼフ=ミルゲラーさん(ヘルマンさんの父)は言う。今年6月、乳価は20セントにまで落ち込んだ。それでも高く見積もっての数字だ。「もう利益なんかない。むしろ損している」という。
彼らは乳業会社へ二日に一度800リットル出荷している。これによって月々2400ユーロを手にする。しかしここから濃厚飼料代1000ユーロ、グラスサイレージ代800ユーロ、光熱費200ユーロが月ごとに引かれ、さらに獣医を呼ぶ為の費用が掛かってくる。その上22頭の飼育している肉牛にかかる費用(えさ代など)は上記の経費に含まれていない。1日14時間労働で夕刻まで働くことも少なくない。(ドイツ人なら当然取る)休暇なんてミルゲラー家にはありえない。
彼らは「ディスカウントショップなど大手が牛耳る農政のせいで小規模な乳業会社が壊されている」と考えている。それがために大きな酪農家はさらに大きくなる。
ハイマーツハイマーを含むラインジーク市には現在5月現在で282戸の酪農家があり、13232頭の乳牛がいる。
ヘルマンさんはEUの東方拡大も取り上げ、東欧だったらならば生活費がドイツより安いので乳価20セントで生き残れるだろうと言う。
父子は今後酪農の代わりに肉牛主体の営農を考えている。ヘルマンさんは2007年1月から農場を後継しており、他にも70頭の羊と若干の山羊も所有している。いずれにしても早いうちに状況を安定させ母親のケーテさんを安心させたい。
彼らは現在牛乳を近隣の町の農家から購入しており、そこにも何頭か乳牛を買い取ってもらったと言う。
参照:General Anzeiger 2009年8月27日“Das lohnt sich nicht mehr”
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ドイツでは、中小規模の酪農家を生き残らせる為の農政策は講じられません。
理由は色々あるのでしょうが、政治家も官僚も結構シビヤな感覚で酪農業を見つめているのだと思います。
そして、やはりミルゲラーさんたちの指摘するとおり、ディスカウントショップが幅を利かせて牛乳の小売値段を操作しているのが問題のような気がします。
・・・中間マージン取りすぎだと思います。
(A.K.)
参照までにで26日のハイマーツハイン町周辺小売店での牛乳1リットルの値段を紹介します。
・カイザース【スーパー】 ・・・0.99EUR(有機牛乳)
・プルス【ディスカウント】・・・0.48EUR(ホモ牛乳)
・アルディー【大手ディスカウント】・・・0.89EUR(有機牛乳)0.48EUR(ホモ牛乳)
・エデカ【大手スーパー】・・・0.99EUR(有機牛乳)、0.48EUR(ホモ牛乳)
・トーム【スーパー】・・・0.99EUR(有機牛乳)、0.48EUR(ホモ牛乳)
・ペニー【安売りスーパー】・・・0.89EUR(有機牛乳)、0.48EUR(ホモ牛乳)
・リーデル【大手ディスカウント】・・・0.48EUR(ホモ牛乳)
以前のエントリーでも乳価について取り上げています。ご参照下さい。
バターと牛乳の価格
酪農家の全国一斉ストライキ
牛乳激論再燃
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