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農薬規制のほうはEU議会側、農業者側、話し合いはしているものの、どちらも一歩も譲らずこう着状態のようです。
今日は面白い取り組みの記事を読んだのでそちらをご紹介します。
NRW州初のグリーンツーリズム専門「農業教育士」誕生です。
栄えある第一期卒業生は約20名。うち半数以上が女性です。スタートは4月、春、夏、秋、冬と季節を一巡りして12月に終了です。授業時間は合計80時間、普通の大学生は週に大体20-30時間こなしますから、かなりのんびりですね。
もっとも参加者はすでにグリーンツーリズムで試行錯誤している農場主/婦人のみなさん。
自分の農場経営の傍らの勉強ですからこれが限度なのかもしれません。
お互いに自分の家のやり方を紹介しあったり、今まで試したことのないやり方を学んだり、専門家の意見を聞いたりしているうちに、重要なポイントに気がついていきます。
「大人も子供もゲーム感覚で自分の手でいろいろ作り上げていくことが楽しい」と。
この「農業教育士」養成コースの課題のひとつとして、それぞれ自分の農場に合わせたプログラムをひとつ考えること、というのがありました。披露したその場で、農業会議所と観光協会代表からコメントをもらえます。(実用的か否か、など)
もう何年も子供たちの誕生パーティに手作りパンを焼いていたというM.J.さんは「今までは生地をこねるところまで大人が用意したけれども、粉をひくところから自分でやるように変えます」と何かをつかんだ様子。羊牧場のM.B.さんも「今までは説明の部分が多くて子供たちを退屈させたけれども、子供たちが自由に見て回って、質問をさせる形式に変えます、授業の一環、というよりも一日を楽しんでもらうのが目的ですから」と満足げ。果樹農家のB.C.さんが考えたプロジェクトは約10種類ほど栽培しているりんごを利用した「りんごの収穫」、「りんごの味比べ(チェックシートつき)」、「りんごジュースを自分でつくろう」というもの。特に圧搾機からほとばしるりんごのジュースに子供たちは感動したようです。「早速次の日に親御さんたちが来て、子供たちのお気に入りのりんごを買っていきました。いつもなら業者におろすところなのに、最終消費者に直接販売できたんですよ」と誇らしげ。
色々なアイディア、改善案などをそれぞれ手に入れて卒業した「農業教育士」のみなさん。
これからの観光農業がますます楽しみですね。来期生はまた4月から募集中とのこと。
観光農業に目を向けている農場主の皆さん、奮ってご応募ください。 (M.I.)
参照:LZ51/52 P.46
「農業」のかたちはひとつではありません。あなただけのスタイル、海外で見極めてみませんか?
世の中不景気といわれていますが、クリスマス商戦はなかなか善戦しているようで、クリスマス間近の売り上げは例年に比べてわずかに上がっているそうです。
年に数回ではありますが、日曜日の午後(13時―18時)にお店を開けたり、ドイツ人にも商売っ気が出てきたのでしょうか・・・? そんな買い物ラッシュ真っ只中の今、ドイツ北部のツェレ( Celle)では、買い物するご婦人がたに付き添う(主に荷物もち)男性のための「やる気アップ!買い物教室」が先週初めて開かれました。
実際に買い物袋を山と持ち、黙々とデパートの中を歩き回ります。主宰するのは観光協会。「男性にもウィンドーショッピングの楽しさを知ってもらおう」というのが狙いだそうです。
もちろん、何時間も実際に買い物させる前に、しっかり買い物コーチ(男性)が極意をレクチャー。「ご婦人方へのコメントは正直に。下手なお世辞はいけません」「何はともあれ、大事なのは忍耐です」。
参加者には自由意志で来た人、彼女に押されて来た人、様々なタイプがいます。もっとも皆さん似たような経験談をお持ちのようで・・・。
30代J.F.さん「僕の彼女が1足の靴を決めるのに10何回も試着しなきゃいけないのが理解できない」30代 F.Rさん「僕は買い物するのに迷わない。店に入る、欲しいものを買う、また店を出る。何に時間がかかるんだろう?」19歳 J.L.君「何を買うにも時間がかかってしょうがないんだ、けんかの原因はたいていそれ。今回はせめて僕にもやる気があるということを見せるためにこの教室に応募したんだけれど・・・」
買い物コーチ(女性)が説明するには「ご婦人方はブラウスを買う目的で店に入っても数時間後にハンドバックを抱えて出てきたりします」そんなご婦人方への対処法は・・・。残念ながらなし。気の済むように買い物させましょう、男はじっと我慢です、という結論のようです・・・。1回や2回のトレーニングで忍耐強くなるものでしょうか・・・。 2回目以降の開催に期待しましょう。
買い物シュミレーション中、店の中を歩いて1時間もたつと、参加者の男性は次第に落ち着きをなくしていきます。足は痛いし、手首に荷物の袋は食い込むし・・・。そこでコーチが一言「荷物になりそうなものはすばやく車へ運びましょう」
しかし、けんかを避けたいときはいっそのこと、買い物に付き合わないで家で待っているのもひとつの手かもしれません。「私がせっせと買い物してる間、家で何もしないなんて」と憤慨されそうな紳士のみなさんはいったん外に出て「ご主人預かり所」でご婦人方の買い物が終わるまでTVを見たり、ミニゲームで遊んだり、のんびり待ってみてはいかがでしょう? (M.I.)
参照記事 Generalanzeiger
いずこもせわしい年の暮れ。年末年始の買出しに忙しい貴方も片手間にクリックしていただければ幸いです。
農薬騒動はあいかわず過熱しているのですが、来年まで収拾がつきそうにないのでひとまず別の話題です。
ここ4,5年の間にオーガニックスーパー、いわゆる「Bioladen」の売り上げは大幅に伸びましたが、最近落ち着いています。
最近注目されているのは「直売所」。
オーガニックスーパーブーム以前から「安全で安心」な食の提供所として根強い人気を誇っています。直売所、農家レストラン、宅配、など消費方法はさまざまですが、普通は最終消費者に直接販売することから、トレースする必要なしとされ、特別な認証許可は不要となっています。
しかし、畜肉製品は衛生上の観念から規制を厳しくするべきだとの声が上がり、今後以下の場合にはEU認可が必要になります。
どのような場合にEU認可が必要かというと、以下の場合です。
1/3以上動物性製品、つまり肉、肉加工品、牛乳、および乳製品、魚介類などを卸売業者、直売所、あるいは支社などに卸す場合。
例えば、
●総売上高に占める畜肉販売額の1/3以上の鶏肉を自社でと畜している場合
●あるいは、総売上高に占める畜肉販売額の1/3以上の肉をソーセージ加工用に肉屋に卸している場合
●牛乳の総売上高に占める自家生乳販売額の1/3以上を近所の学校、幼稚園、病院その他小売業者に卸している農家
なども対象となります。
二つ目。
自分の農場から100km離れた企業/農家/小売店・・・に販売する場合も認可が必要です。
ただし、農場の車で最終消費者に販売する場合は移動距離は事実上「0km(直売所での売買)」と換算され100km超えても大丈夫ですので認可証は要りません。
三つ目。
年間10,000以上の鳥、兎をと畜する場合も許可証が要ります。一万羽以下の場合は必要ありません。
つまり、まもなくシーズン真っ盛りのクリスマスの鴨、がちょうなどの季節限定のと畜は今までどおり許可証なしで大丈夫です。
四つ目。
大型家畜の食肉の場合は、動物の種類、肉の量、と畜の回数にかかわらず、認可証が必要になります。
「赤肉」とは牛、豚、羊、ヤギ、イノシシ、鹿、ダチョウ目がそれにあたります。
EU認証申し込みの手順ですが、農場経営概要書、規格に沿った年間経営計画書、使用器具、雇用人材、使用機械などのおおまかなプラン、食品業者としての認可証を揃えて期限までに最寄の畜産協会に提出、その後審査のあと認証が発行されます。
暫定期間は2009年12月31日まで。それまでは従来どおりの営業が可能です。それ以降は許可証なしでの営業は不可能となり、認証を申請しない場合は動物部門廃業となります。
申請後に不都合が見つかると是正までに6ヶ月の猶予期限しかなく、時間がないので申請の前にかかりつけの獣医と認証に向けて不安要素はあるか相談しておくように、とノルトライン・ウェストファーレン州農業会議所 担当官のバッカー・シュトゥルス女史は呼びかけます。
また、小規模業者もEU認可対象になることから、来年の半ばごろから申し込みラッシュが懸念され、最小手の直売所には早めの対応、できれば今から準備するようにと呼びかけています。(M.I.)
≪参照 LZ 27.11.2008 P.34≫
久しぶりの農業ネタ、如何でしたか?
皆さんのクリックがリサーチの力になります。
さて、11月下旬になるのですけど、デンマーク研修生の秋季会合がありました。久しぶりに会った二人のデンマーク研修生は元気にしていました。
デンマーク語もかなり上手に喋っていました。
上の写真はデンマークユトランド半島南部のGramという町のお城の前で二人を取ったもの。11月も下旬となると朝の冷え込みが結構あって二人ともポケットから手が出ていません!
さて、秋季会合では研修生たちの要望に応じて農業視察をします。
今回は、ヨーロッパ最大の食肉加工業社Danish Crownを訪問しました。昨年の研修生も喜んで視察に行った場所です。
会社入り口の豚君の置物前でパチリッ!
この工場では豚を搬入して豚肉として出荷するまでを担っています。
見学通路に沿って両端500mもある工場を見学します。中央玄関が建物中央部分にあたり、ここには巨大な貯蔵庫があります。
入り口を正面に左端のジョイントから豚が搬入されて屠畜されます。
★屠畜の手順と方法
・まず10頭一まとめで通路を進ませて、その先に控えているエレベーターへ追い込みます。
・このエレベータは地下に二酸化炭素が充満しており、そこを通る間に豚を気絶(麻酔)させます。
・エレベータの反対側が開き、ベルトコンベヤーで血抜きをするセクターへ運ばれます。
分かりづらいですが、左のコンベヤーで運ばれて来た豚の足にチェーンを通し、吊り上げてから喉の部分にストロー状のナイフを突き刺します。血はバキュームし別のタンクへ送られます。
・血が抜かれた豚は水で洗浄されて毛をバーナーで焼かれ、その後ツルツルにブラシで磨かれます。
・次に内臓をそれぞれ取り出し(一部行程は手作業だが常に流れ作業)頭部が落とされます。
・背骨の位置で真っ二つに切断し冷蔵庫に保管されます。ここまでの行程で左端から約250m進んできます。
なお、センサーなどによって豚のサイズに合わせてカットする場所を調節するなど、完全機械化された加工システムにはうなるばかりです。
・そして冷蔵庫から出される(熟成された)豚は、さらにそれぞれの肉の部位(もも、バラ、ひれなど)に切り分けられ、白いボックスに積み込まれ、ベルトコンベヤーで目的の場所(搬送用トラックの)待つ倉庫へと運ばれます。
写真はベルトコンベヤーで運ばれる解体された豚肉
豚肉はそれぞれどの豚から取れたものかトレーサビリティーできるようなっています。
屠体には予め特別なインクでアイデンティティー番号が打ち込まれているので、それを解体していく段階で細やかに管理され最後までどの豚の肉なのかわかります。
凄いですね。
Danish Crownでは一日に約16000もの豚を屠畜しています。凄まじい処理能力です。
豚肉はデンマーク国内のみならず全世界に送られていきます。日本も大事なお得意様。何でも日本からの総輸入額より、デンマークの総輸出額の方がかなり大きいのだとか。
アンフェア?ですね・・・。
さて、今日はちょっと長いのでこの辺で。 (A.K.)
最近更新が少なくて申し訳ありません。
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