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公益社団法人国際農業者交流協会欧州支部のブログ ドイツより農業と若者の夢お届けしています
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JAEC欧州支部
ブログ作製:
JAEC Europe
性別:
非公開
自己紹介:
ドイツのボンに事務所を構える公益社団法人国際農業者交流協会欧州支部です。

本ブログはA.K.及びM.I.2名が執筆しています。今日はどちらが書いているかな?

本ブログについてはこちらを参照下さい。
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一昨日と昨日、帰国を前にした欧州研修生達がドイツ西部のボンの町に集合し、帰国を前にしてお互いの研修について意見交換を行いました。
総勢34名でしたので、ランダムで5組のグループに分け、それぞれ好きなテーマについて話し合いました。

彼らが見て感じたヨーロッパ、そしてその農業、外側から見た日本とその農業について各々が熱く思いを語り、時には疑問をぶつけ合っている姿に、将来の農業を担う彼らのフォーカスがしっかりしている事、そして、この一年で革新的な考えや保守的な考えを一生懸命練り上げたという事をひしひしと感じました。

彼らが一様に口をそろえるのは、

・日本人はもっと英語が喋られなくてはいけない
・ヨーロッパの農業は大きい

ということでした。一見当たり前の感想ですが、日本に暮していたら実感としてこのような感想は生まれてきません。本当はもっと色々と細かい事も言っていたのですが、またの機会で書こうと思います。

彼らは大いに欧州に見せられたようです。
中には「また来たい」、「あと一年ぐらい研修してもいい」などという研修生もおり、良い経験をしたのだろうと思いました。

反対に、「ラーメンが食べられる」、「美味しい魚が食べたい」など、この1年間おあずけだった日本食に対する欲求と、「就職活動をしなくては…」、「復学しなくては…」という間近に迫った課題とも向き合わねばならない研修生もいて、アグトレ(農業研修)を終えた彼らはまだまた忙しい毎日を過ごさなくてはいけないようです。

フランクフルト空港で固く握手して別れた彼らの前途を祝したいと思います。

「これからも頑張れ!平成18年度欧州農業研修生たち!」
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明日、一年間のヨーロッパ農業研修を終えた研修生たちが日本へ帰国します。

昨年3月にやってきて、それぞれの国のそれぞれの農場でたくさんの農業経験を積み、農業の技術やシステム、マネージメント、そして理念や考え方を学びました。

確かに、海外農業研修は海外で農業を学ぶことを前提とした取組みですが、それが全てではありません。
それ以外にも、さまざまな人と出会い、文化に触れ、時には故郷から離れた寂しさを味わい、自立心と仲間の強い絆を学んだに違いありません。外国で暮す1年間には実にたくさんの出来事が詰っているのです。

さて、海外研修と日本国内での農業研修との一番大きな違いはなんといっても言葉でしょう。
私達の欧州農業研修生たちは主にデンマーク、ドイツ、スイス、オランダへ派遣されていますが、それぞれ、デンマーク語、ドイツ語、オランダ語で日常会話をすることになります。スイスは4つの公用語を持つ多言語国家ですが、私たちの研修生は主にドイツ語を話す地域へ派遣されています。

研修生たちは元々それぞれの国の言語ができるわけではなくて、日本からヨーロッパへ出発する前に語学講習を受けたり、しっかり自習して出発します。何もせずに他言語の世界へ飛び込むのはやはり無謀です。

英語が世界の共通言語として通用する世の中ですが、現状として、日本人で英語を日常会話レベルに喋られる人はまだ少数派です。そして、英語が世界共通語とは言いつつも、やはりただの旅行者でないので現地語を学び、現地の人たちと親身になってコミュニケーションをとることには意味があるのではないでしょうか。

しかしながら、場合によっては英語が主要会話言語となる場合もありますが、研修生が苦労しながらも徐々に現地語を習得し、それぞれの目で見たこと、耳で聞いたこと、歩いて、触って、感じたこと全てに大きな価値があるといえます。

明日帰国する若者たちがこの一年を通じて吸収した栄養(経験)を生かして、大きく立派な木となり、そして花を咲かせ、実をつけることを願ってやみません。





海外で何かを学ぶ事が何故大切なのか、「こういう理由で」と端的に言う事は出来ませんが、視点を変えるという意味ではこれほど効果的なことはないのではないかと思います。

日本国内で常識だと思っていることが、外国に出た瞬間非常識に変わる事はよくあります。
例えば、お米を炊くというのは、ヨーロッパでは想像を絶する料理方法です。
ヨーロッパではお米をます。煮て汁気をざるなどで切ります。もはやスパゲッティー的な扱いです。 
はじめてみると驚きますが、お米の品種が日本とは違い粘り気がないのでそんな料理方法でもいいようです。それに塩や香辛料、バターなんかを加えてできあがり。
こんなパラパラのご飯、箸を使って食べようと思わなければ良いのです。ヨーロッパにはフォークとスプーンという優れた食器が準備されていますから、皆さんそれを使ってつつがなく食事されています。

固定観念で物事を考えると一つの方向からしか物事が見えなくなります。お米の食べ方だって、どうやらなくてはいけないなんて誰も決めているわけではないし、好みだってあるでしょう。

これは本当に些細な例ですが、何かの新しいアイディアやインスピレーションの種は日本を離れて暮してみるとたくさん生まれてくるものです。

私は外国に来て日本のお米の本当の美味しさというのに気が付いた気がします。
“農業の役割”と聞いて一体何を思い浮かべるでしょうか? 

きっと「お米を作る」とか、「野菜を作る」とかいうことがまず思い浮かぶと思います。 もちろん人が生きていくに必要な食料を生産することは農業の大切な役割です。
そして、それこそが戦後長らく日本の農家に求められてきた最たる役割でした。

貧困な日本を飢えから守り、世界の大国に成長させたのは日本の農家さんたちでした。しかし、日本経済の発展と共に農業で暮す人と工業で暮す人との間で所得格差が生じていきました。 
1961年より施行された農業基本法ではこの格差をなくすために、農産物の価格水準を高めたり、農地整備や農業の機械化を推進して、農家にとってより良い環境作りを目指してきました。 

そしてさらに時代は変わり、現在、日本人が食べ物で困る事はほとんどなくなりました。それに伴って、日本の農家に求められる役割も変わってきています。 
1999年より農業基本法に替わって食料・農業・農村基本法が制定されました。この取決めでは農業の役割を次の4つに大分しています。 

1. 食料の安定供給の確保
2. 多面的機能の発揮
3. 農業の持続的な発展
4. 農村の振興 

食料の安定供給の確保とは、食料を確実に生産すること。
生物にとって飢餓ほど恐ろしい事はありません。
安全にかつ安定的に食べ物を供給する事は、相変わらず農業の本質です。しかしながら、近年の日本は食物の多くを輸入に頼らざるを得ない状況にあります。もし世界で天変地異が起こって日本に入ってくる食べ物が十分でなくなったら、もし、外国が日本への食物輸出を止めてしまったら、1億3千万人の日本国民を十分に食べさせていけるでしょうか?ですから、日本の農家が国民に足りる十分な食料を生産することは最も重要な任務ともいえるでしょう。 

多面的機能の発揮とは、農業が秘めている可能性を生かすことです。
世界中のどの田舎へ行っても日本と同じ風景はありません。それは日本とは違う農業があるからであり、日本らしい農村風景は日本の農家が作っています。同様に、文化や伝統も農村や農業を営む人たちの手によって紡がれ、未来に繋がっていくのです。
また、自然環境との調和、農業を取り巻く産業との連携も大切な役割です。 

農業の持続的な発展とは、将来も何の不安もなく農業を営んでいくための準備です。
若者達に農業技術を教えたり、農業の大切さを教えたりするのは、農家自身のためばかりではなく、未来の人たちの平和と安泰のためにも大切です。
また、使い捨て感覚で農業をするのではなく、私達の子供、孫、ひ孫、その先もずっと営める農業を考える事が求められているのです。

 そして、農村の振興とは、高齢化・過疎化に伴う農村の弱体化を防ぐ事です。
日本の農業の中心は地方農村です。多くの若者が仕事や勉学、流行やファッションを求めて都会へ出て行き、農村には高齢者が残されています。こうした現状がある中で、どうやって農村を活気付けるか、若者達に魅力ある農村にしていくか、農業の見せるパフォーマンスの真価が問われています。

 農業の役割は時代と共に変わってきています。しかし、いつの時代でもおざなりにしてよかった時代はありませんでした。
今の時代に生きる私達には職業の選択肢が無数に与えられています。

しかし、誰かがやらなければならない、絶対に必要な職業があるといえるのではないでしょうか?
2008/3/19

~訪問してくださった皆さんへ~


はじめまして

まずは、私達、国際農業者交流協会(JAEC)について、ごく簡単に説明させていただきます。 

私達は農業を志す意欲ある若者達に、海外で農業を勉強してもらおうと海外農業派遣事業に取り組んでいます。また、日本国内で農業を勉強するアセアン諸国を中心とした農業研修生たちのサポートをしています。 

このブログでは主に、欧州農業研修に関する情報、現地情報、エピソードなどを中心に話題を提供していきたいと思います。

因みに、タイトルのアグトレAgricultural training  = アグリカルチャルトレーニングからきています。

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