公益社団法人国際農業者交流協会欧州支部のブログ
ドイツより農業と若者の夢お届けしています
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私達が生活する中でどのぐらいのお金が食費として使われるのでしょうね?
スイスの農業局が出版する冊子によれば、スイスでは収入の8%が食費として消化されているそうです。そして、1960年では、それが30%もあったとか。
随分と食費にかかるお金が浮いたものです。
みんな食べ物より生活雑貨を買うようになったのでしょうか?
それとも 皆がダイエットをはじめたのか!?
勿論そういうわけではありません。
これが何を意味するかと言うと、農産物が安くなったと言うことです。
農産物(食品)の値段が単純に下がり、生活経費の中で、食品の占める割合が小さくなったと言えます。
スイスの統計は50年前と比べているので、ちょっと極端過ぎる気もしますが、要は農家の所得が激減したと言う事ができるのです。
スイスと言えば国策で農業保護を明言しており、農作物が高く、実際に周辺国との食品の価格は大きく差があります。ジャガイモやリンゴの値段がドイツの2倍近くて驚いた事がありました。
しかし、スイス国内だけを見ても1992年には1リッターの牛乳が1.05フラン、小麦が1kgで1.08フランだったのに、2006年には牛乳1リットル0.65フラン、小麦は0.57にまで落ち込んでいます。
どんなに国策で農業を保護するって言ったってこれでは農家が食っていけるわけがありません。
そんな訳で、スイスは農家を守るために1992年にデカップリングと言う政策を打ち出しました。
これは、農業生産物の値段は下がるので(いろいろあって下げざるを得ないのですが・・・)、それとは別に農業者に補助金をあげましょうと言うものです。
それまでは、農作物を作ったら、その作物に対して補助金を出してきましたが、結局は作りすぎてしまったり、他国との国際競争力が低下してしまった為にスイス国内農業が弱体化する恐れがあったわけですね。
それでは、二束三文の農作物からの収入を補う補助金はどのように支払われるかと言うと、IP農業経営に対して払われることになったのです。
IP農業って言うのは統合農業とも呼び、環境保全型農業(循環型農業)ともいえますが、農場土壌の窒素の出納帳を付けて、地下水を汚染するほどの有機物を扱わない、そして必要以上の農薬を散布しない義務がある農業です(かなり簡略に説明しています)。
それをしないと補助金がもらえないので、スイスの農家さんは9割がIP農業をしています。
農作物の値段が下がって消費者は嬉しいし、人間は食べなくては死んでしまうわけですから、安いに越したことはありません。しかし、一方で農家の生活を本当に補償する為には、大規模農業をさせるか補助金を出してあげるかしなくてはなりません。でも、山岳地帯のスイスには大規模農業する土地がない。
(あ、日本みたい)
≪おまけ≫
何かを作るのには時間とお金がかかります。
同じくスイスの資料から、面白い統計を紹介しましょう。
1時間働くとビックマック何個買えるか?
USA ニューヨーク・・・5個
スイス チューリッヒ・・・4個
ドイツ ミュンヘン・・・3.5個
フランス パリ・・・2.9個
イタリア ローマ・・・2.4
チェコ プラハ・・・1.5個
アルゼンチン ブエノスアイレス・・・1.1個
ケニア ナイロビ・・・0.5個
世界平均では1個のビックマックを食べる為に35分働かなくてはいけないそうです。
ちなみに、ビックマックの値段は、おそらくその国の物価で計算されているのだと思います。
因みにお米(国際基準額)で比べると、
チューリッヒ・・・12kg
ニューヨーク・・・7.5kg
パリ・・・4.5kg
プラハ・・・4.2kg
ミュンヘン・・・4.1kg
ローマ・・・3.2kg
ブエノスアイレス・・・2.5kg
ナイロビ・・・1.8kg
となっています。
スイスはやっぱり労働賃金の高い国ですね!!(A.K.)
皆さんのクリックがブログ更新の糧です。
ありがとうございます!
スイスの農業局が出版する冊子によれば、スイスでは収入の8%が食費として消化されているそうです。そして、1960年では、それが30%もあったとか。
随分と食費にかかるお金が浮いたものです。
みんな食べ物より生活雑貨を買うようになったのでしょうか?
それとも 皆がダイエットをはじめたのか!?
勿論そういうわけではありません。
これが何を意味するかと言うと、農産物が安くなったと言うことです。
農産物(食品)の値段が単純に下がり、生活経費の中で、食品の占める割合が小さくなったと言えます。
スイスの統計は50年前と比べているので、ちょっと極端過ぎる気もしますが、要は農家の所得が激減したと言う事ができるのです。
スイスと言えば国策で農業保護を明言しており、農作物が高く、実際に周辺国との食品の価格は大きく差があります。ジャガイモやリンゴの値段がドイツの2倍近くて驚いた事がありました。
しかし、スイス国内だけを見ても1992年には1リッターの牛乳が1.05フラン、小麦が1kgで1.08フランだったのに、2006年には牛乳1リットル0.65フラン、小麦は0.57にまで落ち込んでいます。
どんなに国策で農業を保護するって言ったってこれでは農家が食っていけるわけがありません。
そんな訳で、スイスは農家を守るために1992年にデカップリングと言う政策を打ち出しました。
これは、農業生産物の値段は下がるので(いろいろあって下げざるを得ないのですが・・・)、それとは別に農業者に補助金をあげましょうと言うものです。
それまでは、農作物を作ったら、その作物に対して補助金を出してきましたが、結局は作りすぎてしまったり、他国との国際競争力が低下してしまった為にスイス国内農業が弱体化する恐れがあったわけですね。
それでは、二束三文の農作物からの収入を補う補助金はどのように支払われるかと言うと、IP農業経営に対して払われることになったのです。
IP農業って言うのは統合農業とも呼び、環境保全型農業(循環型農業)ともいえますが、農場土壌の窒素の出納帳を付けて、地下水を汚染するほどの有機物を扱わない、そして必要以上の農薬を散布しない義務がある農業です(かなり簡略に説明しています)。
それをしないと補助金がもらえないので、スイスの農家さんは9割がIP農業をしています。
農作物の値段が下がって消費者は嬉しいし、人間は食べなくては死んでしまうわけですから、安いに越したことはありません。しかし、一方で農家の生活を本当に補償する為には、大規模農業をさせるか補助金を出してあげるかしなくてはなりません。でも、山岳地帯のスイスには大規模農業する土地がない。
(あ、日本みたい)
≪おまけ≫
何かを作るのには時間とお金がかかります。
同じくスイスの資料から、面白い統計を紹介しましょう。
1時間働くとビックマック何個買えるか?
USA ニューヨーク・・・5個
スイス チューリッヒ・・・4個
ドイツ ミュンヘン・・・3.5個
フランス パリ・・・2.9個
イタリア ローマ・・・2.4
チェコ プラハ・・・1.5個
アルゼンチン ブエノスアイレス・・・1.1個
ケニア ナイロビ・・・0.5個
世界平均では1個のビックマックを食べる為に35分働かなくてはいけないそうです。
ちなみに、ビックマックの値段は、おそらくその国の物価で計算されているのだと思います。
因みにお米(国際基準額)で比べると、
チューリッヒ・・・12kg
ニューヨーク・・・7.5kg
パリ・・・4.5kg
プラハ・・・4.2kg
ミュンヘン・・・4.1kg
ローマ・・・3.2kg
ブエノスアイレス・・・2.5kg
ナイロビ・・・1.8kg
となっています。
スイスはやっぱり労働賃金の高い国ですね!!(A.K.)
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