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公益社団法人国際農業者交流協会欧州支部のブログ ドイツより農業と若者の夢お届けしています
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JAEC欧州支部
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JAEC Europe
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非公開
自己紹介:
ドイツのボンに事務所を構える公益社団法人国際農業者交流協会欧州支部です。

本ブログはA.K.及びM.I.2名が執筆しています。今日はどちらが書いているかな?

本ブログについてはこちらを参照下さい。
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ドイツの主食といえばジャガイモといわれますが、ドイツ人がジャガイモを食べ始めたのは17世紀頃からで、さらに一般に広がったのはプロイセン王のフリードリッヒ2世が推奨してかららしいので、2千年の歴史をもつ日本の米食と比べて歴史的にはるかに新しい食文化といえそうです。ジャガイモが一般的になるまでは、パンが主流だったようです。

今日、ドイツでは朝夕にパンを、お昼にジャガイモを食するようになってきており、ジャガイモとパンは同じぐらいよく食べるのでどちらが主食と断定する事は難しいかもしれません。その上、パンの種類もライ麦パンや、その他の雑穀を混ぜて作ったパンもあり、パンと一口に言っても主食の穀物を言い当てるのがさらに困難です。日本でも朝はパンを食べる、又はお昼にパンを食べたり麺類を食べたりする人がいると思いますのでもしかしたら主食が米より小麦になった人がいるかもしれませんね。
そう考えると、本当のところ我々の主食は何なのでしょうか? 

次の統計から主食を判断する事はできませんが、一人当たりの供給食料を比較してみると、その国が重要としている作物が見えてきます。 

農林水産省の統計
 世界の穀物自給率、主要先進国の食料消費量(12カ国)

残念ながら穀物の内訳が分からないのですが、ドイツは年間一人当たり112.9kgの穀物を、そして72.1kgのイモ類を供給しています。それに対して日本は穀物112.7kg、イモ類21.7kgを供給しているので、日本人に比べたらドイツ人は確かにイモが好きなのかもしれませんね。

スパゲッティーの国イタリアはやはり穀物供給が多く、162.6kgもあります。

アメリカは肉類の供給が123.5kgで表中一番多く、日本の約3倍(日本は43.1)。
アメリカ人はハンバーガーやステーキを良く食べるという事でしょうか…何となく納得です。

オランダは表中の国の中で一番果物を供給しています(182.1kgで日本は54.4kg)。 果物を食べると身長が伸びるのでしょうか(笑)

しかしながら、特記すべきは牛乳・乳製品の供給量で、日本が93.0kgなのに対し、欧米諸国は軒並み200kgを越える供給量ということです。

牛乳・乳製品国民一人・一年当たり供給食料 (kg)
オーストラリア 249.1
カナダ 206.0
フランス 275.8
ドイツ 256.8 
イタリア 252.4 
オランダ 329.2 
スペイン 174.0
 
スウェーデン 378.8 
スイス 327.6 
英国 242.7 
アメリカ 261.9 
日本 93.0 

(農林水産省2003年) 

別の資料、主要先進国の品目別自給率によると、牛乳・乳製品の自給率が比較できます。
 
牛乳・乳製品自給率(%) 
オーストラリア 180 
カナダ 103 
フランス 125 
ドイツ 117 
イタリア 71 
オランダ 130 
スペイン 81 
スウェーデン 91 
スイス 110 
英国 92 
アメリカ 96 
日本 69 

(農林水産省2003年) 

いくつかの欧米の国では自給率が100%を割っていますが、日本よりずっと高い自給率を誇っています。
欧州人はたくさん作ってたくさん使って、そしてたくさん売っているといえます。
日本は上記表中69%の自給率ですが、実際には飲用乳に限り自給率100%となっています。チーズや脱脂粉乳、バターなどの輸入があるためこの数字になっています。

 また、魚介類については日本が圧倒的に多く、たとえばドイツが14.9kgなのに対し、64.3kgも生産しています。

やっぱり日本人は魚がすきなのでしょうね。 

美味い刺身が食べたいです。

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“農業の役割”と聞いて一体何を思い浮かべるでしょうか? 

きっと「お米を作る」とか、「野菜を作る」とかいうことがまず思い浮かぶと思います。 もちろん人が生きていくに必要な食料を生産することは農業の大切な役割です。
そして、それこそが戦後長らく日本の農家に求められてきた最たる役割でした。

貧困な日本を飢えから守り、世界の大国に成長させたのは日本の農家さんたちでした。しかし、日本経済の発展と共に農業で暮す人と工業で暮す人との間で所得格差が生じていきました。 
1961年より施行された農業基本法ではこの格差をなくすために、農産物の価格水準を高めたり、農地整備や農業の機械化を推進して、農家にとってより良い環境作りを目指してきました。 

そしてさらに時代は変わり、現在、日本人が食べ物で困る事はほとんどなくなりました。それに伴って、日本の農家に求められる役割も変わってきています。 
1999年より農業基本法に替わって食料・農業・農村基本法が制定されました。この取決めでは農業の役割を次の4つに大分しています。 

1. 食料の安定供給の確保
2. 多面的機能の発揮
3. 農業の持続的な発展
4. 農村の振興 

食料の安定供給の確保とは、食料を確実に生産すること。
生物にとって飢餓ほど恐ろしい事はありません。
安全にかつ安定的に食べ物を供給する事は、相変わらず農業の本質です。しかしながら、近年の日本は食物の多くを輸入に頼らざるを得ない状況にあります。もし世界で天変地異が起こって日本に入ってくる食べ物が十分でなくなったら、もし、外国が日本への食物輸出を止めてしまったら、1億3千万人の日本国民を十分に食べさせていけるでしょうか?ですから、日本の農家が国民に足りる十分な食料を生産することは最も重要な任務ともいえるでしょう。 

多面的機能の発揮とは、農業が秘めている可能性を生かすことです。
世界中のどの田舎へ行っても日本と同じ風景はありません。それは日本とは違う農業があるからであり、日本らしい農村風景は日本の農家が作っています。同様に、文化や伝統も農村や農業を営む人たちの手によって紡がれ、未来に繋がっていくのです。
また、自然環境との調和、農業を取り巻く産業との連携も大切な役割です。 

農業の持続的な発展とは、将来も何の不安もなく農業を営んでいくための準備です。
若者達に農業技術を教えたり、農業の大切さを教えたりするのは、農家自身のためばかりではなく、未来の人たちの平和と安泰のためにも大切です。
また、使い捨て感覚で農業をするのではなく、私達の子供、孫、ひ孫、その先もずっと営める農業を考える事が求められているのです。

 そして、農村の振興とは、高齢化・過疎化に伴う農村の弱体化を防ぐ事です。
日本の農業の中心は地方農村です。多くの若者が仕事や勉学、流行やファッションを求めて都会へ出て行き、農村には高齢者が残されています。こうした現状がある中で、どうやって農村を活気付けるか、若者達に魅力ある農村にしていくか、農業の見せるパフォーマンスの真価が問われています。

 農業の役割は時代と共に変わってきています。しかし、いつの時代でもおざなりにしてよかった時代はありませんでした。
今の時代に生きる私達には職業の選択肢が無数に与えられています。

しかし、誰かがやらなければならない、絶対に必要な職業があるといえるのではないでしょうか?
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