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公益社団法人国際農業者交流協会欧州支部のブログ ドイツより農業と若者の夢お届けしています
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JAEC欧州支部
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JAEC Europe
性別:
非公開
自己紹介:
ドイツのボンに事務所を構える公益社団法人国際農業者交流協会欧州支部です。

本ブログはA.K.及びM.I.2名が執筆しています。今日はどちらが書いているかな?

本ブログについてはこちらを参照下さい。
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デンマーク研修生が夏のセミナーに参加した時に、食肉センター(と場)を訪問したそうです。
とても良い機会だったようですが、畜産業にかかわる研修生だからこそ、家畜を殺す瞬間を冷静に観察できたのでしょうか…?

日本では比較的難しい食肉センターの視察も、ヨーロッパでは可能であったりします。
今回のデンマーク研修生のように研修生たちは時々食肉センターを訪問する機会に恵まれ、と畜の瞬間を初めて見て驚いたり、感心したりしています。
中にはショックを受ける人もいるようですが、農業(特に畜産業)に携わる研修生たちは概ね食肉の何たるやをしっかりと理解しているようです。

一般の消費者にとっては、草原で草を食む家畜とスーパーでパック詰めになった肉とをイメージとして繋げる事は困難だと思います。
そして、それが必要とされない風習が長いこと続いています。言い換えれば、動物を殺してその肉を食べるという一連の営みのうち、一部の工程が分かりにくくなっているともいえます。

あるときドイツのテレビ番組を見ていて驚いたのが、と畜の場面や食肉センター内の様子がテレビで映し出されていた事です。日本ではまず放映されないと思われるシーンに思わず釘付けになりました。

デンマークだと、食肉加工はデーニッシュクラウンというヨーロッパ屈指の大企業が有名で、年間2千万頭の豚(一日あたり数万頭)を処理すると言います。ここを見学し、ガラス張りの向こう側でプロセスラインに沿って豚が豚肉になるのを見ていくと、もはや工場のような感じがします。
そして、それだけの肉を消化しきるだけの人間達がこの世界にはいるという事実にも驚きます。

いのちを食べているという建前の前に、私達は舌と胃袋を満たす為のシステムに目を向ける常識も必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか?

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先日取り上げたSpargel(アスパラガス)のシーズンも6月末で終わり、入れ替わりに旬になるのはさくらんぼです。そのさくらんぼとアスパラガスの間に旬になるのが甘酸っぱいイチゴです。日本のように粒ぞろい、とは行きませんが、大きさがまちまちのイチゴを見るのも楽しいものです。

今年のラインラント地域のイチゴのできは上々で、甘さも量も十分なものができたようです。多くのイチゴ農家さんがそれでも不満げに首を振るのにはわけがあります。というのは、収穫期の大事な働き手である東欧、それも勤勉なポーランドからの季節労働者が圧倒的に不足していて、収穫が満足にできない事態に陥っているためです。

人手不足が原因で畑には収穫し切れなかったイチゴがあちこちで残されていたようです。


最近創刊175周年を迎えた地域農業情報誌LZの取材によると、季節労働者として重宝がられていたポーランドからの労働者は、自国の景気が最近かなり良くなっており、わざわざ外貨を稼がなくても良いようです。

かわりに国内やルーマニアからなどの労働者を呼んでも、3分の1が断りもなく仕事場に現れなかったり、3日もしないうちにやめていったり。なんとか労働者を確保しようと農家さんたちもあの手この手で引き止め作戦に入ります。

時給をあげる、というのがスタンダードですが、本当は別払いの昼食を農場側がもつ、というのも労働者側にとっては魅力的な条件のようです。どちらも農場側の負担になるのですが、背に腹は変えられない、といったところでしょうか。政府側の対応としては、少しでも外国から来る季節労働者にドイツで働く魅力を感じてもらおうと、今まで3ヶ月かかっていたビザの手続きを簡略化したり、滞在期間を4ヶ月まで延長できるようにしたりといろいろ工夫しているようです。 


最近期待がかかっているのはまだまだ自国の経済が安定していないモルドバ共和国、ウクライナ、ベラルーシなどからの労働希望者ですが、まだ国同士の仲介の段階で、残念ながら今年は実現には至らないようです。


年々集めにくくなっていく季節労働者を見越して、3年前に90ヘクタールあったイチゴ畑を50ヘクタールまで減らしたりして、何とか少人数でやっていこうとしている農家さんや、機械化で人手不足を補おうと最新の包装機械を購入したりする農家さんもいるようです。


そろそろ季節外れのイチゴが未だ店頭に並ぶのを見ながら、このまま収穫期に人手が足りないと、そのうち気楽にイチゴが食べられなくなるのかなぁと自然と酸っぱい顔になるのでした。(MI)

参照HP:http://www.lz-rheinland.de/

 

 

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近年日本の米価が下がり始めて久しいですが、世界的には米価が上がり続けています。世界的穀物価格上昇が米においても例外ではないのですが、日本だけはその反対を行っています。
しかしながら、このギャップを単純に比較する事はできません。日本の米価には、農政、国内需要など様々な要因が絡んで今の下落状況に陥っていますし、世界の米価上昇は原油高、穀物不足が一因を作っています。

ところで、ドイツで購入できるお米は本当に様々な種類があります。日本で見かけるような短粒種の米はMilchreis(ミルヒライス)と呼ばれ、ミルク粥に使われるようです。もちろん、日本のお米とは若干味も風味も異なります。日本の米はSushireis(スシライス)として売られています。この他、パエリア用の米、オレンジの粒のように長細い米、黒い米など、日本では見かけないようなものまであり、米と言えどこれほどに種類があるとは驚かされます。
それにしても日本米というのはヨーロッパではあまり見かけないものです(理由は色々あると思いますが)。近年イタリアで日本の米を栽培し始めた農家があります。ちゃんと日本からスタッフが来て指導をしているそうです。
外国でも日本米が美味しく食べられるのはありがたいことです。

やはり日本人なので、日本米が食べたいと思うのですが、何しろ輸入の日本米は高いのでカルフォルニア米を食べています。

今日も行きつけのアジア食材店で10kgの米を購入。韓国人の店長がレジで苦々しそうに、
「また米の値段が上がったよ。何でも高くなっちまうな!」
と言っていました。確かに、3ユーロ(円にして500円)程上がっているような気がします。理由を聞くと、
「この米はアメリカから輸入しているが、アメリカの農家は今までの半分の農地を米、残りの半分をトウモロコシ畑にしているんだ。それで米が高くなった。なんでも金の為だな」
ということでした。

米価の比較はナンセンスと分かっていても・・・、かたや減反、かたや作付けの転換。
我田引水とはまさに今の米事情でしょうか。



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研修生の農場訪問がほぼ全員終わりました。
今週末にもう一箇所訪問して一通り全研修生の滞在先を見て来たことになります。

どの研修生たちもちょっとした問題や苦労はあるようですが、それぞれに充実した時を過ごしている事が分かりました。まだ農場へ配属されて3ヶ月しか経っていません。今できることと、あと3ヵ月後にできる事はまた違ってきます。焦らず、着実に自分の納得する研修を続けてほしいと思います。

スイスの春季会合については近々取り上げますが、今日は別の話題です。


毎回農場訪問では色々な経営者からお話を聞くことができ、大変興味深いものです。
今回の農場訪問ではやはり、世界的な飼料穀物の価格高騰が話題に上りました。農業の第一線で日々農作物生産や農場のマネージメントにおわれる経営者達ですが、どなたも世界情勢や農業政策については鋭い観察を怠っておらず、それぞれの農業分野ごと持論を展開してくれて、大変興味深かったです。

とあるドイツの鉢物生産農家では数年前から温室の暖房をウッドチップ燃料に変えています。数年前からの化石燃料の高騰を先読みしての導入はまさに先見の目があると言えるでしょう。今後はさらに安定的な燃料を見つけていきたいともおっしゃっており、アグリビジネスにおいての暖房燃料コスト対策は重要課題という印象を受けました。
片や有機野菜農家では石油依存による農業生産の限界点、将来の農業像の模索について思慮深い考察を伺う事ができました。有機デメター農家ならではの独特の世界観かもしれませんが、農業が自然を離れてその和を乱すことが『良い』事なのか、今一度考えてみるべきかとも思いました。

家の光出版地上7月号に「石油ピークがやってきた!」と言う記事があります。
これによると、石油の埋蔵量は残り1兆バレルほど。もの凄く多いように見えますが、これまでに人類は既に1兆バレルを使い切っているそうですから、残りの石油が枯渇するのも容易に想像できてしまいます。
「脱浪費」と言うことで、日本には「もったいない」と言う言葉があることにも触れていて、ドイツで日々生活する中、日本美徳ともいえる「もったいない」を誇らしく思う一方、欧米化、近代化がもたらした消費文化をなかなか捨てられない日常をなんとももどかしく感じました。

何かできることから始めよう、とよく言いますが、やらなくてはいけない事があまりにも多くて手がつけられない。

まるで事務所の机の上みたい…。


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今週から乳価の上昇を目指して酪農家さんたちがストライキを始めました。
明日からは70%の牛乳が市場に届かないという事をラジオで言っていました。
今の乳価1キロ当たり32セント(ノルトライン・ウェストファーレン (NRW)州)という低水準から40セントにあげようというのが今回のストライキの狙いです。

「まあ上がるとすれば、せいぜい5,6セントだろうがね。それでもなにもやらないよりはましさ。政府は何にもしてくれないし」とはここNRW州の研修生受け入れ酪農家の方のご意見です。
せっかく搾乳した牛乳を売らずに排水溝に流しています。この農場の奥さんは「週末には牛乳風呂でもやるわ、子供も喜ぶし、お肌にいいから」とさびしげに笑いながら話してくださいました。
「『世の中には飢えで苦しんでいる人たちがいるのに食べ物を捨てるなんて』という意見もあるけれどもこうでもしないと私たちが飢え死によ」と真剣な目で語ってくださいました。

今日読んだ新聞によるとドイツだけではなく、お隣のオーストリア、オランダ、フランス、スイスなどヨーロッパ各地でも乳価上昇を目指して似たようなボイコット活動が酪農家さんの間で計画されているそうです。

ちなみに業界では在庫があるのでまだそれほど打撃を受けておらず、牛乳および乳製品が店頭から姿を消すのは早くて月曜からのようです。この週末のうちに牛乳を買いだめしておいたほうがいいよと言われて家路に着きました。

今回のストライキには好意的な意見も批判的な意見もあります。この博打が吉と出るか凶と出るか。続報をお待ちください。

(M.I.)

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