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研修生たちが配属されている農場には有機農場もあります。その中でもスイス、オランダ、ドイツにあるデメター配属農場は有機の中でもバイオダイナミック農法という独特の工夫、考えがあります。今回はドイツのデメターについてフランクフルト新聞が取り上げているので一部ご紹介しましょう。
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デメターとは?
ドイツ有数の有機農業認証組織のひとつ。参加農家は現時点で約1300件。合計6万ヘクタールの土地がバイオダイナミック農法に則って耕地されている。EUの出す有機認証規定:化学的、合成的に作られた除草剤は使用しない、溶けやすい化学肥料は使わない、遺伝子操作はしないという最低基準を押さえるのはもちろんのこと、独自でバイオダイナミック農法から取り入れた基準を作っている:牛糞、植物、ミネラルなどを混ぜ合わせて作る調剤(プレパラート)を肥料として使う。収穫は新月の日に、など農作業は惑星の影響を考えて行う。
そもそもバイオダイナミック農法の魅力とはなんだろうか?43歳にして税理士から農業に目覚めたS氏(現在農業学校生徒)はこう語る。「右手に炎症を起こしたとき、相談した4人の医者が4人とも手術をするように進めました。しかし人智学を解する女医さんはホメオパシーの薬のみでその手の惨状を治療してくれたのです。そして彼女と話すうちにルドルフ・シュタイナーにたどり着いたのです。」シュタイナーは人智学の創立者でもある。彼の輪廻転生の世界、宇宙の力がもたらす影響、超常的なものへのアクセスといった教えはS氏を魅了した。
すべての材料が農場で作られ、循環される。例えば麦を作る。その麦を引いた後に残るふすまを牛に食べさせる。牛はえさを食べて糞を出す。その糞から肥料を作って土にまく。土は養分を吸って作物を育てる。(繰り返し)といった具合である。以上の循環を達成させるためにデメターでは他の大抵の有機連盟のように専門分野を作るのではなく、畑作も畜産もするように推奨している。これはバイオダイナミック以外の農学者からも有意義だと認められている。
その他の有機農業と同じようにバイオダイナミック農業でも地下水を汚染しやすい窒素肥料はタブーだ。そのかわりにデメター農業者は牛糞と石英結晶を混ぜ合わせて作った自作の調剤(プレパラート)を畑にまく。肥料の配合調整には神秘的なものがある。例えば樫の外皮から作るプレパラートの場合、粉に引いた外皮を動物の頭蓋骨に詰め、何ヶ月も池のそばの岸辺に保管する。そしてできあがったプレパラートはほんの数グラムで何ヘクタールもの土地を特定の病気から守るとデメターの専門誌は発表している。これが本当に土に効くのかは研究者の間で長年議論されている。
しかしどうして農業者が星座や惑星の配置や天体観測について勉強しなくてはならないのか? デメター農家は宇宙が植物の成長に影響を及ぼしていると確信している。25歳のGさんは最近「普通の」有機農業学を国立専門大学で終了したばかりで、今バイオダイナミック農法を勉強中だ。「満月には植物が水を吸収します。新月はいわゆるからっぽの状態です、つまり刈り取るには一番良い時期です」彼女によると科学的にも証明されているそうだ。
Gさんはバイオダイナミック農法の「自然に敬意を表す姿勢」を賛嘆している。EUの有機農業最低基準だけ満たしている有機農家の多くは怪我が多いからという理由で牛が痛がっても除角してしまう。デメターでは禁止されている行為だ。「バイオダイナミック農家は、自然により多くの敬意を払っています。」とGさんは続けた。
(Frankfurter Rundschau 02.04.2009 記事より抜粋) 新聞HP
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記事が長いのでかなり省略させていただきましたが、雰囲気はつかめたでしょうか?自分は不勉強であまりわかりませんが、そのうち研修生からバイオダイナミック農法についてレポートなど届くかも...?続報も気長にお待ちください。 (M.I.)
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農業の世界的な傾向として、大規模化・集約化が進むのでどうしても農家戸数の減少が避けられません。
例としてドイツの農家戸数の変遷をグラフ化して見ました。
(図) ドイツの農家戸数
2007年ではドイツの農家戸数は34万9千戸ほど。農業従事者は85万人ほどで、人口に占める割合としては1%ほどです。
一方で日本についてもグラフ化してみました。
日本の場合は、北海道とその他の都府県の農業形態(規模)に大きな差があるので、統計が別になっています。そこで、グラフも北海道とその他の都府県に分けてあります。
左が北海道、右が都府県合計です。
(図)日本の農家戸数
2007年で日本には180万戸ほどの農家があります。
わずか20年弱の間に農家が半分にまで減っている事が分かります。
仮に他の諸国でグラフを作ってみても同じことが起こっているのではないかと思います。農業の未来へ向かう滑り台のように、グラフは必ず右肩下がりになるのだと思います。
しかしながら、ドイツにしても日本にしても確かに農家戸数が激減しているのですが、根本的な部分で違いがあります。
それは、規模の大きな農家の増減です。
日本ではどの規模の農家も減少傾向にあるのに対して、ドイツでは比較的大規模な農家の数が増えているのです(残念ながらグラフにできる統計が見つかりませんでしたが)。
大規模といってもドイツでは10haや20haの農家はむしろ中小規模に含まれ、50ha以上の農家あたりから大規模農家となります。
農作物の価格が安くなる中で、農家が生き残るすべはもはや大規模化、特質化に限られてきています。
右肩下がりの統計を見て嘆くばかりではなく、現実から世界のスタンダートを見出し、厳しい農業政策に乗り込む時期に来ているのかもしれません・・・。 (A.K.)
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さあ元気を出して、週末を愉しみましょう。
もうすぐ春ですね。木々は芽吹き、花粉症の人には辛い花粉が飛び始めている時期です。
今日は月刊誌dlz(3月号28ページ)が面白い特集記事を組んでいるので一部ご紹介させてください。
*******************************************************60年後の農業の姿を想像できるだろうか。1本の小麦からじゃがいも、バナナ、とうもろこしがとれ、病気知らずで栄養万点。まったくのファンタジー?それはどうだろう。
今気候が大きく変わっているのは、周知の事実。将来的に、収穫量はどうなるのか、抵抗力は今の状態をキープできるのか、はたまた下がるのか。どの病気、害虫を防除できるのか、専門家に話を聞いてきた。
前述のような「スーパープラント」、今の時点ではもちろん空想に過ぎない。ただ将来的にもまったく不可能なのかというとそうではない。とうもろこしに根瘤菌を植えつける研究はすでに行われており、小麦に応用される日もそう遠いことではないかもしれない。こうすることによって植物は現時点ではマメ科の植物しかできないように空気中の窒素を取り入れることができる。トマトとジャガイモ(ポテト)が一度に収穫できる「ポマト」はもうあることだし、可能性はあるはずだ。
もちろん遺伝子技術がすべてという話ではない。新しい原種を見つけたりするのも課題のひとつだ。バイオエネルギーが取り沙汰される昨今、二酸化炭素の吸収量アップなどがこの先数十年の課題となるだろう。環境にも優しいし、収穫量の増加も見込める。「近い将来食糧不足は避けられないだろうから、収穫量を向上させるのは必須の課題といえるでしょう」とはある農業専門家の意見。
気候の変化によってこれからの植物は抵抗力も強くなり、なかなか病気に負けない種類が育っていくだろう。長い日照時間に耐え、根をもっと地中深くまで伸ばし水分を確保、葉の上のワックス層を厚くし乾燥を予防。寒さにも暑さにも耐え抜く植物の自然な誕生はもうすぐかもしれない。そうすればどんな天候条件でも収穫量の安定は約束されたようなものだ。種まきと収穫の時期はずれるだろう。小麦や大麦の早播きができて5月には実をつけ収穫を夏の暑い時期を避けた6月に早められるとすると、開いた畑に今度はとうもろこしやキビを植え、年間で今までの2倍の収穫が見込める。---とは件の専門家の予想だ。
しかし、気候の変化は今までになかった病気、害虫が発生する恐れもあり、一概に手放しで歓迎できるものではない。(・・・)
******************************************************最近の温暖化などの気候の変化って農作物にはマイナスにしかならないのではと思っていましたが、植物も日々進化し続けているんですね。
未来に生き残るのは遺伝子操作型植物か、自然変化型植物か。答えは60年後に・・・。 (M.I.)久しぶりに農業雑記の更新です。いつも応援のクリック、ありがとうございます。
最近の不景気も何のその。上げ幅こそ2007年度の15%から10%に落ちましたが、それでも青息吐息の他業界から見れば驚異的な数字です。ちなみに2008年の売り上げは58億ユーロ(約6800億円)慣行農業から利益が20-30%上がる(その分手間はぐんと増えるのですが・・・)有機に鞍替えする農家さんが増えつつあるのもうなずける数字です。
有機製品を求める消費者は、空輸するとBioの概念に反するとしてフードマイレージの高い外国産に目をむけ、できるだけ国産品を欲しがっています。
・・・そうはいってもドイツの農地の有機栽培面積はおよそ5.4%。いくら将来20%にあがる見込みがあるとはいっても今はイタリア、スペインなど南ヨーロッパ(野菜)、オーストリア(牛乳)、デンマーク(牛乳)、他東欧諸国(穀物)からの輸入に頼らざるを得ない状態です。
安さを売りにしているディスカウント・スーパー「Aldi」でもBio製品が手に入るようになってもうしばらくたちます。
あちらのスーパーのチラシもBio,こちらのデパートの食品売り場もBio,...
Bioであふれ返っているような感があります。「Bioと書いてあれば売れるのか」と首を傾げたくなるような名ばかりのBio製品も出回ったりしていますが、今回はドイツの有機認証条項をパスした、オーガニック食品専門店に負けず劣らずの質の高さを誇りつつかなり低価で手に入るスーパーのBio製品をご紹介して結びに変えたいと思います。
公認されている有機認証団体は8団体ですが、そのいずこにも所属せずいずれも独自のBioブランドで勝負しています。
このままいくと、有機食品専門のスーパー、Biomarktをしのぐ勢いだそうです。普通のBioより安く、かつ品質は同じ、となると、消費者側としてはどうしてもスーパーに流れそうになるのではないでしょうか?(M.I.)
Rewe(大手スーパー、創業約70年 経営はEdekaに次いで2位)
Edeka(ドイツ最大手スーパー)
Aldi
ディスカウントスーパー、(世界各国に手を広げる)AldiのBio宣伝頁
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米粉を使ってアレンジした様々な麺や米粉パンなど、どれも良く考えられていると思います。
しかし、幅広く浸透するにはまだ時間が掛かるかもしれませんね。そもそも小麦粉で作ればいいものをあえて米粉でやろうというのですから、地道な宣伝努力が必要なのかもしれません。
しかしながら、一通りの小麦食品を米粉で代用する事ができれば、低迷する食料自給率の向上に繋がるのでしょうか…。
平成20年の農水統計によると米は国内で8,823,000トンの収穫があり、それに対して小麦は882,400トンだったようです。小麦の収穫量は米のおよそ10分の1です。
小麦の輸入量は5,275,000トンですから、日本産小麦の割合は約14.3%です。
随分と輸入しているのが分かります。
この5百万トン云々を米で補えば…
米粉パン、米粉パスタ、米粉お好み焼き、米粉うどん、米粉ホワイトソース(できるのか?)、などで小麦の地位を剥奪してしまうのだ!
ざっと計算して、H20年の米の収穫量と作付面積(約162万7千ha)を小麦輸入量に対比させると、約97万haの土地が必要だとわかります。
100万haぐらいだったら、だいたい減反している田んぼの面積になるのですから、その減反分を回復すれば小麦に代わる米として立派に地位を確立し、
自給率があがる!!
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しかし、弊害として、米価が急落―
だめだ!
元々米の作りすぎが問題で減反してるんだった!!
米食品を普及させるのは米の需要を増やす為なのに、根本的な改善をしようとするともっと大変な事が起こってしまう…。
農政は難しいですね。 (A.K.)