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今月発売の地上の「今月の農政メモ」を見たのですが、日本のエコファーマーがついに18万人を越えたそうです。
詳しい内訳は農水省のホームページで紹介されていました。農水省発表のエコファーム認定件数(PDF)
農水省の情報によると、エコファーマー認定件数が18万件となっているので、単純に考えて、18万戸の農家がエコファーマーになったと解釈して良いと思います。
日本には約180万戸の農家があるので、1割の農家がエコファーマーになった計算です。
因みに、このエコファーマーというのは何かと言うと、
「サスティーナブルアグリカルチャー(継続可能な農業)の方針(計画)を都道府県知事に提出し、その内容が認められた農家の事」です。
ですから、必ずしも「完全無農薬」であったり「無化学肥料」ではなくても、秩序だったエコロジカルな営農計画を認めてもらうことができれば原則的にはエコファーマーになることができるはずです。
ドイツだと、行政とは別の一般の認証組織が立ち上がって有機農業認定をしています。代表的なのだと、Bioland,Demeterなどがあり、EU有機規則以上に厳しい規定を設けて農家に有機認証を与えています。ですから、仮にEUの有機規則が農薬規制について「無農薬」と定めていなくても、各認証組織が「無農薬」を条件にあげることがあります(というよりほとんどの有機認証組織がそうだと思いますが)。
これらドイツの有機認証に当たる日本の認証としては有機JASがあります。こちらは今年の3月までで3000件の登録があったようです。
有機認定事業者数(Maff)
因みに、ドイツの有機認定農家は2007年で約18000件と、奇しくも今回日本でエコファーマー認定が達成した数字と並んでいます。ドイツの有機農家は全農家の約5%となります。
ドイツのように、いくつもの認証組織が乱立する状況も消費者の混乱を招くので必ずしも良いとはいえませんが、まずは消費者の視点を考えつつ、エコファーマーが目指すモノをはっきりと提示していってもらうことがこの取組みの発展に繋がると思います。
(A.K.)
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いわずもがな、牛乳は雌牛しか出さないので生まれてくる雄牛は畜肉に回されてしまいます。
しかし、例外的に生き残ることが許されている雄が種雄牛たちです。
種雄牛はつまり、交配に使われる雄牛の事ですが、長年の系統分類の結果、最も優れた血統を受け継ぐ雄牛だけが選りすぐられています。
現在の酪農をはじめ畜産業を支えるのは、こういった家畜の血統・遺伝です。
Youtubeでベルジアンブルーというベルギー原産の牛の紹介をしています。
この牛は、非常に優れた赤肉産力(つまり筋肉が多い)を備えており、もはや牛なのかバイソンなのかと見まごうほどです。
(・・・牛もバイソンもどちらもウシ科ですが・・・)
映像を見ていただくと分かるとおり、体の各所の筋肉が、これでもかというほどに張りあがり、ボディービルダーのようです。しかも、この状態にするために特別なホルモン剤や栄養剤を与えたわけではなく、遺伝でここまで発達させてきているということに驚きます。
肉牛を評価するうえで筋肉がたくさんついているかどうかというのは大切な観点です。特に値段が高い部位の筋肉がしっかりついているというのは理想的です。
そして、これら種雄牛から精液を取り、雌牛に人工授精を行い仔牛を生産、肉牛として育成して出荷するというのが畜肉生産のサイクルです。
Youtube内でもリポーターが思わず「Sperm machine」といっていますが、畜産界において、雄牛の役割は精液の生産です。
採取された牛の精液は緩衝液で薄められてストローに充填され、人工授精に使われれるまで液体窒素の中で保存されます。
種雄牛は本当に選び抜かれたサラブレットしかなれません。いわば牛界のスーパースター、スーパーエリートなのですが、自分たちの努力によってどうこうなる世界ではないことを思うと、「人間でよかったー」と思ってしまいます。
(A.K.)
こちらのホームページにベルジアンブルーの美しい写真が掲載されています。
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日本ではどんなに収穫が早い地域でもまだ始まっていないと思いますが、リンゴの収穫の季節が来たのです。
(と思ったら8月24日の富山新聞の記事。富山でも早生のリンゴの収穫があったみたいですね)
8月の上旬辺りから一番早い品種Delbar-Estivaleの収穫が始まっていると、果樹農家の研修生達が言っていました。流石に毎日大忙しのようです。
今はエルスター(Elstar)というオランダで改良された品種の収穫が始まっています。とてもポピュラーな品種でどのリンゴ農家でも必ず作っている品種です。味は甘すぎず酸っぱすぎず日本のリンゴからしたら慎ましやかな感じです。
そして多くのドイツ人に愛されています。
もうすぐGalaやBoskoopそしてPinovaが収穫され、10月になればIdaredや個人的に好きなリンゴBraeburnも収穫され始めます。
ここまで挙げてきたリンゴの品種は恐らく日本ではきわめてマイナーな品種だと思います。
しかしながら、日本とドイツでは地球の裏側同士なのだから扱うリンゴも違って当然かもしれません。
ドイツには約2000種類ものリンゴの品種が確認されていると聞いた事があります。そのうちわずか60品種が一般市場に出回っています。必ずしも食用に適するとは限らない場合でも、珍しい品種である場合には残っていたりします。
ドイツ中部の田舎町へ行った際、ひめリンゴよりもさらに小さなリンゴに出会ったことがありました。全く誰かが管理している様子もなかったので、ちょっと失敬して味見してみるとまだ若かったのか渋く酸っぱかったです。
樹高7mはあろうかというリンゴの古木もちらほらと見かけます。もはや実をつけても収穫されず、それでいて牧草地のど真ん中にまるで主役のように立っているご老木たちは、なんだかいてくれるだけ良い、家族の中のおじいちゃんおばあちゃんのような存在に思えます。
あれらのリンゴの木には産業的価値はなくても、鳥や昆虫達にはありがたい存在なのだと思います。末永くヨーロッパの農村風景を演出し続けて欲しいと思います。
実際には、こういった高木を環境保全の観点から守る法律があり、農家などでは管理(保存)する対価として補償金をもらっていますが・・・。
色々な農家を訪問して農場を見させてもらうと、見たこともないようなリンゴがなっていることがあります。
日本ではリンゴといえば、紅くて丸くて大きくて、そしてひたすらに甘いばかりイメージしてしまいますが、リンゴというのは実は多彩な味を持った果物です。
そして、事務所の裏にもリンゴがあるので、ちょっとどんな具合か見にいってみたのですが、
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完全に腐ってます…。
誰にも管理されず、木勢が非常に強く、おい茂るリンゴの葉の隙間に、2、3個の痛んだリンゴがなっていました。
きっと蜂か何かの虫がかじっていったのでしょう。
私たち人間は大人しくスーパーでリンゴを買うことにしましょうか。
(A.K.)
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馬のひづめが痛まないようにつけられる「蹄鉄」。ギリシャでこの週間が始まって以来すでに1000年以上の歴史があります。
ドイツでは、煙突掃除やさん、幸運の豚(よく背中に1セント(昔は1ペニヒ)をしょっています)、天道虫、四葉のクローバー、赤白水玉のきのこ(ベニテングダケがモチーフ)---と並んでよく知られたラッキーシンボルでもあります。
この伝統的な「蹄鉄」にちょっとした変化が起きようとしています。蹄鉄工の1人、J.Kさんは「馬に蹄鉄をつけるのは人間にしてみれば鉄製の靴を履かせられているようなものだ」とゴム製のひづめカバー(見た目は蹄鉄です)を開発。こういった「鉄の代わりのひづめカバー」は特に新しい試みでもありませんが、今まで乗馬界で浸透してこなかったということです。
ゴムや人工樹脂で作る「蹄鉄」(ほかに呼びようがないのでこう呼びます)は、直接ひづめに貼り付けるタイプと、蹄鉄のように釘で打ち込むタイプと2通りあるようです。蹄鉄と同じようにそれらの「蹄鉄」は6-10週間ごとに取り替えて強度を保ちます。「蹄鉄」の形をしていない「ひづめ用靴」も開発されています。ただ、この場合ははかせたり、脱がせたりするのが困難なようです。
もちろん「裸足」で歩く馬もいます。わざわざ蹄鉄などひづめの補助なしで馬を飼育するための研究所があるそうです。ここでは、ひづめはごくごく薄くけずりますが、蹄鉄工よりも多い回数削るんだそうです。蹄鉄よりゴムや、人工樹脂のほうがよいとする人たちは、その軽さと、ひづめの機能の妨げにならないことを利点としています。
伝統的ある蹄鉄の擁護派いわく、蹄鉄も年々改良を重ねてきて、昔より性能はぐんとあがっているし、今開発されているゴムや、人工樹脂の蹄鉄は従来の蹄鉄より3割ほど高価だということです。ちなみに普通の蹄鉄は4本の足全部につけるとして60-120ユーロだそうです。
・・・肝心の馬はどちらのほうが足に良いのでしょうね?実際に両方つけても、どちらが都合がよいか、聞いても人間語で返事はしてくれないし、今回の開発は浸透するんでしょうか・・・。まだインターネットではそれほど話題になっていないようですが・・・。
(M.I.)参照記事 Generalanzeiger 8月8日、9日合併号
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オランダでのBBQではオランダ組に加えてドイツ組からも1名飛び入り参加。みんなの元気そうな笑顔に出会えて何よりでした。
さてさて、今回は毎度おなじみ農業雑誌、LZ29号からの抜粋です。
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お隣スイスのお話ですが、山間部St Gallen州にはトラクターではなく馬で農作業全般をこなしている農家さんがいます。A.H.さん(50)。今のご時世、機械なしでどこまで可能なのか、不都合は無いのか探ります。
お父さんの代からトラクターではなく馬だったので自分もそれが当たり前だと思っていたとHさん。13haもある土地をトラクターなしで農耕するにはそれなりの工夫が不可欠。とはいえ、全作業馬負かせと言う訳には行かず、わらの刈り取り、糞の運搬、ロールベール(サイレージ作り)などは労働者に一任しています。
しかし、わらの切り返しや、えさの持ち運び、液肥の散布などは馬との共同作業です。機械やトレーラーはトラクターと同じものでもそれを引くのが馬というところが違います。7000㎡の畑を耕すのにHさんと馬は15分かかります。
「100馬力のJohn Deereよりは早いよ」、とHさん。もちろんトラクターやもっと大きい機械を扱っているほかの同業者のように早く大量に仕事が片付くわけではありませんが、格段にのろのろというわけでもありません。馬で引く分空気もクリーン。昨今流行の「エコ農業」に入るのでしょうか・・?
Hさんのような少数派、農耕馬愛好家のために、昨今では農耕馬専用の器具や機械もできています。お父さんの時代にはなかったものです。モーターや水力ポンプもそんな機械のひとつです。
わらの刈り取りや細かい手作業は二人の息子さんと娘さん、それにポーランドからの労働力が手伝います。農場には17頭の乳牛がいます。「動物がいないと農場がさびしくってね」と笑うHさんの農場にはその他にも猫に鶏、鴨にガチョウ、孔雀も数羽います。
農作業の相棒、馬たちは現在主流の馬房ではなく、厩舎につながれています。実際に一日中つなぎっぱなしでいるわけではなく、農作業で外に出ることが多いので、容認されてもよいはずですが、2013年からは改定動物愛護法により繋ぎ止めるのはスイス全域で禁止になります。
農作業を馬に任せるわけですから、作業を自分の思うとおりに進めるためにも訓練は大事な部分です。若い馬はベテラン馬のとなりにつかせて技術を学ばせます。人間の研修生みたいなことをするんですね。Hさんは毎年冬から春にかけて1,2頭の馬を農耕用に育て上げます。
夏はわら運び、週末や夏の夜長には馬車馬としても活躍、サイレージの運搬や液肥の運搬、Hさんの馬たちは大忙しです。冬、仕事の少ない時期は若い馬たちの訓練期間です。ほぼ毎日練習します。
馬と一緒に働くというのはトラクターとは違った魅力が沢山あるとHさんは語ります。「いつでも仲間がいる」「トラクターよりえさ代その他のほうが安くつく」といったことが主な理由だそうです。
かといってこの動物大好き、自然が大好きな農家さんがまったく現在の技術と無縁かというとそうでもありません。ガレージには馬車もありますが家の前には自動車が。どちらもHさんの人生に欠かせないものだそうです。
農耕馬情報サイト
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馬が耕してもトラクターが耕しても行き着くところは皆同じ。たどり着くまでにどういう道を選ぶかはその人次第、ということでしょうね。 (M.I.)
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