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オランダでのBBQではオランダ組に加えてドイツ組からも1名飛び入り参加。みんなの元気そうな笑顔に出会えて何よりでした。
さてさて、今回は毎度おなじみ農業雑誌、LZ29号からの抜粋です。
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お隣スイスのお話ですが、山間部St Gallen州にはトラクターではなく馬で農作業全般をこなしている農家さんがいます。A.H.さん(50)。今のご時世、機械なしでどこまで可能なのか、不都合は無いのか探ります。
お父さんの代からトラクターではなく馬だったので自分もそれが当たり前だと思っていたとHさん。13haもある土地をトラクターなしで農耕するにはそれなりの工夫が不可欠。とはいえ、全作業馬負かせと言う訳には行かず、わらの刈り取り、糞の運搬、ロールベール(サイレージ作り)などは労働者に一任しています。
しかし、わらの切り返しや、えさの持ち運び、液肥の散布などは馬との共同作業です。機械やトレーラーはトラクターと同じものでもそれを引くのが馬というところが違います。7000㎡の畑を耕すのにHさんと馬は15分かかります。
「100馬力のJohn Deereよりは早いよ」、とHさん。もちろんトラクターやもっと大きい機械を扱っているほかの同業者のように早く大量に仕事が片付くわけではありませんが、格段にのろのろというわけでもありません。馬で引く分空気もクリーン。昨今流行の「エコ農業」に入るのでしょうか・・?
Hさんのような少数派、農耕馬愛好家のために、昨今では農耕馬専用の器具や機械もできています。お父さんの時代にはなかったものです。モーターや水力ポンプもそんな機械のひとつです。
わらの刈り取りや細かい手作業は二人の息子さんと娘さん、それにポーランドからの労働力が手伝います。農場には17頭の乳牛がいます。「動物がいないと農場がさびしくってね」と笑うHさんの農場にはその他にも猫に鶏、鴨にガチョウ、孔雀も数羽います。
農作業の相棒、馬たちは現在主流の馬房ではなく、厩舎につながれています。実際に一日中つなぎっぱなしでいるわけではなく、農作業で外に出ることが多いので、容認されてもよいはずですが、2013年からは改定動物愛護法により繋ぎ止めるのはスイス全域で禁止になります。
農作業を馬に任せるわけですから、作業を自分の思うとおりに進めるためにも訓練は大事な部分です。若い馬はベテラン馬のとなりにつかせて技術を学ばせます。人間の研修生みたいなことをするんですね。Hさんは毎年冬から春にかけて1,2頭の馬を農耕用に育て上げます。
夏はわら運び、週末や夏の夜長には馬車馬としても活躍、サイレージの運搬や液肥の運搬、Hさんの馬たちは大忙しです。冬、仕事の少ない時期は若い馬たちの訓練期間です。ほぼ毎日練習します。
馬と一緒に働くというのはトラクターとは違った魅力が沢山あるとHさんは語ります。「いつでも仲間がいる」「トラクターよりえさ代その他のほうが安くつく」といったことが主な理由だそうです。
かといってこの動物大好き、自然が大好きな農家さんがまったく現在の技術と無縁かというとそうでもありません。ガレージには馬車もありますが家の前には自動車が。どちらもHさんの人生に欠かせないものだそうです。
農耕馬情報サイト
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馬が耕してもトラクターが耕しても行き着くところは皆同じ。たどり着くまでにどういう道を選ぶかはその人次第、ということでしょうね。 (M.I.)
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