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先日紹介したGMトウモロコシ栽培の禁止ですが、ひとつ動きがありました。4月にアイグナー農相から栽培禁止されたMON810を開発したMONSANTOは控訴していましたが、5月5日、ブラウンシュヴァイクで出た簡易判決では先月と同様人体や動物の生態に悪影響が出る恐れが強いからということで依然として禁止のままだそうです。
MONSANTOの本社のあるアメリカでは「まったく安全だとすでに確証されているのに最近のヨーロッパは過剰反応だ」と憤慨しています。アイグナー農相に対して科学的根拠もないのに横暴だと批判も出ています。
そもそもMON810の何が危険視されたのかといいますと、「自分でアワノメイガ(の仲間)の幼虫に対する毒素を作りだすことができるバチルス・チューリンゲンシス菌の遺伝子を組み込んでいること」。MONSANTO側の実験によりこの毒は脊椎動物、つまり人間には無害と証明されてはいるのですが、アイグナー農相も、今回の簡易裁判でもそれでは不十分だと判断されたようです。
とはいってもGM作物なら全面的に禁止かというと、そうでもないようで最近ではドイツ最大手総化学メーカーBASF(日本支社とリンクしてあります)が開発したGMジャガイモAmfloraという品種には20haという制限つきですが、栽培許可が下りています。ただ、栽培地域北ドイツ地方での条件がそろっていないため、まだ栽培にはいたっていませんが・・・。ジャガイモなどナス科植物類は生態系の影響がトウモロコシなどイネ科よりずっと少ないといいます。でも当事者のMONSANTOにしてみれば不公平という気になりそうですよね・・・。
個人的な意見を言わせていただければ、害虫駆除のためだけならトウモロコシの遺伝子操作はしなくてもいいんじゃないかという気がします。ただ、その分農薬を撒く量が増えるというならば、はたしてどちらの毒がましかという議論になってくるのでしょうかね ???
毒だ毒だというけれど、量を間違えたり、用法を間違えたりするだけで、薬だって無害なはずなものだって有害あるいは有毒になったりします。「安全で安心な食事」はもはや聞きなれたフレーズですが、それだけに食の安全って何だろうと考え込んでしまうのです。 (M.I.)
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