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毎年約30万人の東欧季節労働者がドイツで仕事をします。大半はこの時期、今が旬のホワイトアスパラ(Spargel (D, CH), asperge(NL), asparges(DK))やイチゴの収穫時期に2ヶ月ほどと短期間です。
今年初めからポーランド人には「被雇用者としての就業の自由(農業に限る)」が認められており、5月1日からは全職業に広がりました。どういうことかというと、筆頭は依然としてポーランド人労働者ですが、その数は年々減少の傾向にあります。アイルランドやイギリスに流れていく労働者も少なくありません。(2004年から労働許可なしでの長期労働可能な国)自国の給金レベルも上がってきています。(ポーランド経済)
被雇用者としての就業の自由の説明:各EU住民はどのEU加盟国でも居住区に関係なく、その国の労働者と同じ雇用条件で(最低賃金や最長労働時間など労働基本条件) 雇用される権利を持つ。
ルーマニアの季節労働者の時給は額面6.40Euro.これでも先年より上がっています。3年前は時給5Euroで良い方でした)
アスパラ1kgのお値段は等級にもよりますが、4Euroから10Euro. (時給に勝ってますね)
最近の季節労働者は給金の関係も有ってポーランド系が減り、ルーマニアからが多くなりました。本職/前職は多種多様。故郷に畑を持つ人もいれば、トラックの運転手だったり、ピアニストだったり、中には電話会社で働きながら休暇を利用して「アスパラの栽培を勉強してみたかった」という変り種も。特に農業者の資格が要るわけではなさそうです。
ただし、ドイツ人からはこの仕事は敬遠されています。2007年から何度となく職業安内所(Arbeitsargentur)が年々減少傾向にある季節労働者をドイツの失業者で賄おうとしましたが、真面目に働かない、途中で逃げ出したなど結果は惨敗です。
飛び交う言葉はイタリア語、英語、ドイツ語、はたまたスペイン語と国際色豊か。学校で学んだのではなく、欧州各地の農場で働くうちにそれぞれの言葉を覚えたと言います。「娘の寄宿舎費用を払うために出稼ぎに来てるんだが、あの子が専攻するのは「国際関係」、俺が今畑でやってることと変わらんのだがね」と笑うのは46歳にして3人目の娘さんが出来たP.S.さん。「ここまで来れば月に2000Euroは稼げる、地元では月600Euroがいいところ。これは有難い」
アスパラ収穫の一日:5時に起きて、6時に収穫スタート。ビニールの覆いをとって土から顔を出しているアスパラを掘り出してカットします。ビニールシートをかぶせてないと太陽に照らされてアスパラがピンクに色を変えます。色が変わっても充分美味しいのですが、こうなると商品価値は落ちてしまうんだそうです。13時で一旦休憩。朝から腰を曲げてアスパラの堀どおしです。夜は自由時間になってもあまり外へ出る気にもならないそうです。仕事は平均10時間。
ニュースソース:Generalanzeiger 4月30日/5月1日週末号ピークは6月24日まで。休みなく働いてくれる季節労働者に混じってハードなアスパラシーズンに奮闘中の研修生がドイツにもスイスにもいます。彼らの汗と紅く膨れた手が真っ白いアスパラが食卓に上るのを支えています。頑張れ、研修生!応援しています。
東欧の労働者と働くのは花卉も酪農も共通しています。農作業だけでなく異文化交流(東欧編)にも奮闘中の研修生たちへどうぞ暖かい拍手を。
日本危機の農業市場への影響
東京―世界最大級の農業資源輸入大国日本。今回の大震災により、自給率はさらに減少しそうだ。
日本を除いて先進国のうちでこれほどに自給率の低い国は他にないだろう(2008年カロリーベース計算の自給率41%)。
世界最大の原料(特に家畜飼料)輸入国である日本は、3月11日に発生した大災害によって、東北地方の重要な農業用地の深刻な打撃を受けて、輸入に頼るところがさらに大きくなるに違いなく、自給率30%台も考えられる。
家畜飼料の75%を輸入に頼る日本
大災害の農業市場への影響について、オランダのラボー銀行が調査した。
日本の輸入飼料及び食料の総量は75%に登り約1600万トンである。トウモロコシだけで、世界の総生産量の2%になり、それはEU27カ国の生産量の約3割に当たる。飼料用大豆の85%(350万トン)を輸入しており、それは、世界の総生産量の1.4%となり、EUでの生産量の0.4%と等しい。
90%の小麦を輸入
食用小麦にいたっては、90%を輸入に依存している。520万トンの小麦を輸入し、世界の生産量の0.8%であり、EUの生産量の21%に当たる。
確かに米の自給率は100%を超え、それは、強力な直接補償と貿易規制により守られてきている。しかしながら大部分の食品類と65%の糖類も輸入市場から調達している。
日本は、肉牛460万頭/年、豚960万匹/年、肉鶏2億9400万羽を輸入しており、世界最大の豚肉輸入国であり、世界第2位の牛肉輸入国だ。
さらには、チーズを19万トン、魚介類とその加工品を他国と比べ物にならないほど輸入している。
大災害の影響
大切な農用地を失い、放射能の土壌汚染に伴い、国民の安全のためにさらに大量の輸入を余儀なくされそうだ。
しかしながら、総量としては大したものだが、世界市場の中では、それほど大きくないとも言える。
畜産拠点の消失によって、飼料輸入量が減少することから、農業市場への要求量は最小限に留まるだろう。
被害6県の生産力は、高い放射能のため、また停電のせいで保冷が及ばす傷むなどして、8%程度下がる。そして、日本で2番目に大きい、年間38万トンの生産を誇った水産加工も破壊されてしまっている。
日本の輸出物資は不足し、また、各国では輸入規制も敷かれているが、しっかりとした食品の安全検査が日本国内でなされる事で、リスク値を世界の人々の信頼を再び得るレベルにまで下げられるだろう。
それらも踏まえ、2011年の第三四半期まで、日本経済の復調が見込まれる。
自給率最低の先進国
2008年では、日本で自給率100%を超えていたのは、米だけだった。小麦は14%、大豆9%、野菜82%、果物41%、肉類56%、魚介類は62%。
日本がコンスタントに大量の食料と嗜好品を輸入しなくてはならない背景には、日本の人口に対して慢性的に農業生産量が不足している事がある。
日本には、国際競争力を得るほどの集約的な農業を行える大規模農業地帯が不足している。
日本はぜい弱な自給基盤を改善すべく、既に災害などを想定して非常時の食料確保を可能にするために、2020年までに自給率を50%まで引き上げる政策を考えている。
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自給と輸入とのバランスが、日本には必要なのかもしれません。日本は世界の中で生きているという事を、感じる記事でした。
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ドイツは環境保護を強力なプロパガンダとする「緑の党」が前与党に入って以来、環境問題や有機農産物に対する民意が非常に高まった経緯があります。
今回の震災では、ドイツルフトハンザ航空が(福島原発に比較的近いという事で)いち早く成田空港への到着を取りやめるなど(現在は発着通常化しています)、原発や環境破壊に対してドイツらしい反応を示していました。
そんなドイツの農業雑誌によると、有機農産物市場の成長が留まるところを知らないという事です。
***Agrar Heute記事より***
ますます多くの消費者が地域で作られた有機生産物を手に取るようになっています。AMI(農産物情報会社)によれば、2010年の有機生産物飲食品の売り上げは、5.9億ユーロにも上っています。
これは、2000年のほぼ3倍になります。これは、年率で2桁台という成長です。2009年との比較では、1~2パーセント程度と報告されています。「有機農産については、ここ1、2年はもはや日常となり、マスコミでもあまり取り上げたり宣伝したりしなくなってきています」と、AMIの有機農業経済アナリスト、ディアンナ=シャークさんがいいます。急成長の後のこの成長は健全と言えます。卸市場の活性化と生産アップのチャンスを成長させる事になるのです。
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今回の原発によって国産農産物の受ける被害は甚大です。しかしながら、ドイツの有機生産物の経済効果を高めたのがマスコミの宣伝によるところということですから、今起こっている農産物不買いの理由の一部は、風評被害と言えるかもしれません。
(A.K.)
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年明けそうそう大騒ぎです。
発覚したのは年末なのに年明けてからの話ではすでに昨年(2010年)の春にはニーダーザクセン州は承知していたとか・・・。5000に上る農場の閉鎖、8000羽以上の屠殺処分・・・。被害は広がる一方です。
農業省が発表した現時点で分かっている数字は3000トンに及ぶダイオキシン汚染工業油が25飼料会社に行き渡り、最低でもニーダーザクセン, シュレスウィッヒホルシュタイン, ノルトラインウェストファーレン, テューリンゲンの4州に広がったと言う事です。一番の被害はニーダーザクセン州。このダイオキシン入り脂肪酸はバイオディーゼル製造会社から手に入れたものだと言う事です。
そこから15万トンの飼料に混入。何千件もの養鶏、養豚農場が安全のため一旦閉鎖の憂き目に会います。鶏肉や豚肉の買い渋りも目立ちます。
そもそもダイオキシンはどうやって玉子や餌に付着したのでしょうか?北ドイツにあるシュレスウィッヒ・ホルシュタインのH&J(仮名、1月12日破産申告)飼料会社が間違えて工業用の脂肪酸を混入したのがそもそもの原因と言われています。この会社では鶏、牛、豚などの飼料を作っています。12月末H&J社はキール(シュレスウィッヒ・ホルシュタイン州都)とハノーバー(ニーダーザクセン州都)当局にダイオキシンの過剰濃度の申告をします。この工業用脂肪酸が誤って混入されたのか、あるいは故意だったのか、議論を呼んでいます。飼料用の脂肪酸よりも、工業油の方が安いのが憶測の元になっています。
これだけ出回っていたらすでに食べてしまったと言う人も多いでしょうね。現時点ではしかし、サルモネラやBSEのように心配はしなくても良いそうです。今回の騒動で検出されたダイオキシンは1gの脂肪から最大で3ピコグラム(3兆分の1グラム)これはEUの出す基準値に収まってはいます。実際に体重15kgの幼児が最大級にダイオキシン汚染された玉子を食べても1日の摂取可能量を越える事はないそうです。恐いのは、取り込んだダイオキシンが体の中に蓄積していく事。動物性食品、魚、肉、乳製品などからは極微量ながらどれだけ検査を通してもダイオキシンはついていきます。 脂肪組織と肝臓にくっついたダイオキシンは分解する事がありません。加齢と共にダイオキシンは体の中に溜まっていきます。
ダイオキシンが強い毒性を持つことは知られていますが、一番危険、かつ一番知名度が高いのはTCDD、1,976年、イタリアのセヴェソで起きた事故からセヴェソ毒とも呼ばれます。その毒は動物実験では体重1kgに対して100万分の1グラムで殺傷力が認められています。皮膚がケロイド状になり、がん細胞を活性化させます。
ちなみに2004年にダイオキシンで暗殺されかけたウクライナの政治家ユシュチェンコ氏の体内ダイオキシン濃度は通常の約50000倍だったそうです。よく生還できたものです。
渦中のアイグナー農相はといいますと「今後2度とこんな事が起きないように」と監視を徹底させると発表しています。例えば工業用と食料用の加工は工場の場所を変える、工業用には着色する、といった具合です。
スーパーの玉子は「室内飼い(Bodenhaltung)」「放し飼い (Freilandhaltung)」「有機玉子(Bioeier)」というランクわけがされているのですが、一番安い室内飼い玉子が山となって売れ残っていました。
放し飼いの養鶏を営み、餌も100%安全保障されているさる研修農家の家では「玉子が爆発的に売れています」・・・恩恵を被る農家もあるようです。
食品スキャンダルが出るたびに思うのですが、「喉もと過ぎればなんとやら」というやつで、1つの事件が風化する頃にまた次の何かが発覚している気がします。「安全で美味しい物」にはそれなりの値段がある、ということを消費者が根本的に理解するまでこういった騒ぎは延々と続くのではないでしょうか・・・。
いくら安いといっても、安いなりの理由があるわけで・・・。自分のお財布も寂しいので、食べ物に散財しろというつもりはないのですが、後からかかるお医者さんの料金、お薬の料金、その他リスクを考えるとやはり「安全をそれなりの値段で買う」というスタンスがベストなのではないかと思うのです・・・。
久しぶりの農業情報更新のつもりだったのに、書くうちに主観的になってしまいました。すみません。次回は冷静にいきます。
ニュースソース:spiegelonline
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と思わず感心してしまう、先日ネット上に配信され始めた農業系アニメ「あぐかる」。
農業を愛する農家の娘が、茨城県の農業をめちゃめちゃにしようと狙ってくる敵を変身してやっつけるという、鉄板アニメを踏襲しつつ、じつは農業についてもなかなかしっかりと解説してしまうという、思い切ったプロモーション。
やるなあ、茨城県。
茨城県農業のプロモーションHP