公益社団法人国際農業者交流協会欧州支部のブログ
ドイツより農業と若者の夢お届けしています
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11月下旬にデンマーク研修生と一緒にいくつかの農業視察をしてきました。
今日はそのうちから、種雄牛の管理会社を訪問した際のエピソードをご紹介します。
種雄牛というのは人工授精に使うための精液を採取する雄牛。よって、種雄牛の管理会社とは、言い方を変えれば精子バンクといえます。
さて、上の写真の物体は液体窒素を充填した容器で、中には雄牛から採取した精液がストローに充填されて保管されています。人工授精の際にはこのストローを容器から一本取り出し、人工授精用の装置(注射器のようなもの)に取り付け雌牛に種付けします。
因みにこの容器は高さ50cmほどのものでしたが、中には数千から万単位のストローが入れられていました。
デンマークにはかつていくつもの種雄牛管理会社がありましたが、現在では統合されてユトランド半島南北に一箇所ずつに集約されているそうです。
それでは、種雄牛がどのように誕生するか追って説明してみようと思います。
まず、種雄牛の候補は会社の職員が各農家でスカウトするということでした(芸能人みたいです)。
そして、スカウトされた牛たちはまず血液検査で重大な病気にかかっていないことを確認された後管理棟へ移送されます。なお、このスカウトを受けた段階で農家にはいくらかの報酬が払われるそうです。
これで年間1500頭程度が選び出されてきます。
そして、その選び出された牛たちの中からさらに審査をすすめ、最終的には10頭まで搾り出します。言うなればフィナーレまで勝ち進むわけです。
そして、いよいよ最終選考。
それぞれの牛から精液を採取し、2000本の精液のストローを作り、それを人工授精させて生れてきた仔牛たちの成績(乳生産能力だったり産肉力だったり)を見て、合格すれば晴れて種雄牛になれます。
これを専門用語で後代検定といいます。
そして、生を勝ち得た(敗北者は残念ながら食肉センター行きです)エリート牛たちは日々精子の生産に励む事になります。
ここまでで生後約5年が経過しています。
彼がそのエリートのうちの一匹。
後代検定には時間が掛かりすぎるため、今後はDNAテストを中心としたシステムを確立するという話を聞きました。デンマーク全体で年間1800頭程度の種雄牛の選抜を後代検定で行っているのが、今後は半数程度で済むようになるということでした。
種雄牛は週に2回、連続2発の精液採取(採精)を行われるということです。そして8年間ほど務めるということでした。
さて、精液の採取は専用のホールで行われます。
去勢された雄牛(体が丈夫なのでオスの方がいい)を設置し、そこに乗りかかろうとする種雄牛のペニスに採精管(コンドームのようなもの)をあてがって精液を取ります。
なぜ一回に2度の採性をするかと言うと、完全に空っぽにしないと次回の採取のときに元気の無い精子が混ざる為だそうです。
こちらが採精管です。暖房機の中で保温し、使用するときに取り出します。筒の内側はゴム風船状になっていて、器具上部の金属に口で空気を送り込むと膣圧と類似したコンディションを再現できるといいます。採取された精液は試験管内に溜まります。
因みに牛は発射までの時間がとても早い動物です。いわゆる一突きで射精します。これは体が大きな動物だから、雌に負担をかけないように自然とそうなったということなのでしょうか??
一頭の種雄牛1日の精採取で400本程度のストローが出来るということですが、1つのストローに約6000万の精子が入っているので、一日に240億以上もの精子を生産しているのですね。
さらに、この会社では一日3000本を摂取したレコードがあるそうです!!
凄まじい。
余談ですが、今回は視察先の担当者のご好意で種雄牛たちに直接合わせていただく事ができましたが、これは極めてラッキーな事でした。普通は外部との接触により病気感染を恐れる為絶対に直接見せてくれる事はありません。
研修生共々感激しながらエリート牛たちの楽園へ。
研修生。上着と靴の上からビニールカバーをかぶせられています。
こちらは実際には使われていませんが偽雌台という道具。雄の大動物(牛とは限りません)が興奮して乗っかった時に精液を採取します。
雄牛の気持ち分かりますか・・・?
なんか、切ないですねぇ。
(A.K.)
人に生れた喜びを噛み締めつつワンクリック、お願いします。
今日はそのうちから、種雄牛の管理会社を訪問した際のエピソードをご紹介します。
種雄牛というのは人工授精に使うための精液を採取する雄牛。よって、種雄牛の管理会社とは、言い方を変えれば精子バンクといえます。
さて、上の写真の物体は液体窒素を充填した容器で、中には雄牛から採取した精液がストローに充填されて保管されています。人工授精の際にはこのストローを容器から一本取り出し、人工授精用の装置(注射器のようなもの)に取り付け雌牛に種付けします。
因みにこの容器は高さ50cmほどのものでしたが、中には数千から万単位のストローが入れられていました。
デンマークにはかつていくつもの種雄牛管理会社がありましたが、現在では統合されてユトランド半島南北に一箇所ずつに集約されているそうです。
それでは、種雄牛がどのように誕生するか追って説明してみようと思います。
まず、種雄牛の候補は会社の職員が各農家でスカウトするということでした(芸能人みたいです)。
そして、スカウトされた牛たちはまず血液検査で重大な病気にかかっていないことを確認された後管理棟へ移送されます。なお、このスカウトを受けた段階で農家にはいくらかの報酬が払われるそうです。
これで年間1500頭程度が選び出されてきます。
そして、その選び出された牛たちの中からさらに審査をすすめ、最終的には10頭まで搾り出します。言うなればフィナーレまで勝ち進むわけです。
そして、いよいよ最終選考。
それぞれの牛から精液を採取し、2000本の精液のストローを作り、それを人工授精させて生れてきた仔牛たちの成績(乳生産能力だったり産肉力だったり)を見て、合格すれば晴れて種雄牛になれます。
これを専門用語で後代検定といいます。
そして、生を勝ち得た(敗北者は残念ながら食肉センター行きです)エリート牛たちは日々精子の生産に励む事になります。
ここまでで生後約5年が経過しています。
彼がそのエリートのうちの一匹。
後代検定には時間が掛かりすぎるため、今後はDNAテストを中心としたシステムを確立するという話を聞きました。デンマーク全体で年間1800頭程度の種雄牛の選抜を後代検定で行っているのが、今後は半数程度で済むようになるということでした。
種雄牛は週に2回、連続2発の精液採取(採精)を行われるということです。そして8年間ほど務めるということでした。
さて、精液の採取は専用のホールで行われます。
去勢された雄牛(体が丈夫なのでオスの方がいい)を設置し、そこに乗りかかろうとする種雄牛のペニスに採精管(コンドームのようなもの)をあてがって精液を取ります。
なぜ一回に2度の採性をするかと言うと、完全に空っぽにしないと次回の採取のときに元気の無い精子が混ざる為だそうです。
こちらが採精管です。暖房機の中で保温し、使用するときに取り出します。筒の内側はゴム風船状になっていて、器具上部の金属に口で空気を送り込むと膣圧と類似したコンディションを再現できるといいます。採取された精液は試験管内に溜まります。
因みに牛は発射までの時間がとても早い動物です。いわゆる一突きで射精します。これは体が大きな動物だから、雌に負担をかけないように自然とそうなったということなのでしょうか??
一頭の種雄牛1日の精採取で400本程度のストローが出来るということですが、1つのストローに約6000万の精子が入っているので、一日に240億以上もの精子を生産しているのですね。
さらに、この会社では一日3000本を摂取したレコードがあるそうです!!
凄まじい。
余談ですが、今回は視察先の担当者のご好意で種雄牛たちに直接合わせていただく事ができましたが、これは極めてラッキーな事でした。普通は外部との接触により病気感染を恐れる為絶対に直接見せてくれる事はありません。
研修生共々感激しながらエリート牛たちの楽園へ。
研修生。上着と靴の上からビニールカバーをかぶせられています。
こちらは実際には使われていませんが偽雌台という道具。雄の大動物(牛とは限りません)が興奮して乗っかった時に精液を採取します。
雄牛の気持ち分かりますか・・・?
なんか、切ないですねぇ。
(A.K.)
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