公益社団法人国際農業者交流協会欧州支部のブログ
ドイツより農業と若者の夢お届けしています
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ボンには映画館が何件かあります。学生向けの安い映画館、一日一本しか上映しない小さな小さな映画館、町外れにデンと構えている映画館・・・。そんな映画館の中で、町の中心、市庁舎のすぐそばにあるアール・デコ調の古い映画館「メトロポール」が、姿を消すことになりました。
1928年に設立、1929年にオープンしてから幾星月、当時はドイツ最先端を行く劇場(映画、コンサート、お芝居)も、老朽化および観客の映画館離れの波には勝てず、映画館としては、すでに一度1982年に一旦閉館していました。その当時の所有者と市民団体の間でも取り壊し、階層を巡って激しい権利争いがあり、1983年に市は映画館を文化遺産に指定するという処置をとりました。文化遺産になると、たとえ所有者でも建造物を勝手に取り壊すことは出きなくなります。これに所有者が控訴し、長い裁判の末1987年にミュンスター高裁が文化遺産として市民団体の主張を認めました。
1990年から映画館用に再び改装されたメトロポールはオープンし2006年3月まで活躍していましたが、2006年からその機能を停止して、陳腐な1ユーロショップに貸し出されてしまいました。
文化遺産でもある建物の改築を巡って延々と今の持ち主と市民団体との裁判が行われていたのですが、昨日ミュンスター市の裁判で決着がついた形です。
今回の判決は所有者は違えど20年前の因縁の判決を見事にひっくり返すものでした。
「現在のメトロポールは1990年の改装工事のため、文化遺産とは呼べない、従って改装するのは所有者の権利だ。ただし、手を加えていない正面は文化遺産だ。」・・・これではここまで裁判が引きずったのは何だったのか、90年に改装許可を与えたときに市は「文化遺産」の価値がなくなると承知していたのか、署名活動で16000の署名を集めた市民団体の努力は何だったのか・・・色々邪推したくなってきます。
1928年に建てられてから手を加えられていない部分は表構えのみとのことなのですが、はっきり言わせてもらえば、いい加減古くなったどこにでもありそうな表構えより、中の
景観を守るべきだと思うのですが、この採決はもう揺るがないようです。
新しく生まれ変わる建物は本屋さんになる予定です。
裁判官が今回の判決を述べたときの引用です:「ボン市民がいかにメトロポールを愛しているかはわかっています。しかし、純粋に権利と法律に基づいての判決を下したことにどうかご理解願いたい」
義理や人情でどうしようもできないこと、世の中にはたくさんあるようです・・・。
古き良き伝統を大切に。クリックよろしくお願いします。
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