公益社団法人国際農業者交流協会欧州支部のブログ
ドイツより農業と若者の夢お届けしています
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田んぼの上をシオカラトンボが飛び交い、ぬるく淀んだ稲の隙間にはミズカマキリやゲンゴロウがオタマジャクシを餌にしている。水の取り入れ口付近の玉砂利がきらきらと宝石のように輝いて、大きな石の下にはイモリが何十匹と折り重なって眠っている。たまにサワガニがまぎれていたりする。
今から20年も前、長野の田舎で良く目にした水田を住処にしている生き物達は、今もいるのでしょうか?
よく農業の役割のうちに「自然保護」というものが挙げられます。
その代表的な例として、水田の保水・洗浄効果、水生生物たちの生息域などがあり、そういった意味で農業は自然保護に役立っているとしています。
しかし、世界全体を見たときに、「農業」と言うのは「自然破壊」と大変強い結びつきがあることを思い知らされます。そして世界的には、農業は自然破壊をしている産業です。
いきなりこう書かれても納得できない人もいるでしょう。
例えば、熱帯雨林で頻繁に行われる焼畑農業。森林を焼いて開墾し、そこで作物を育てる農業です。熱帯の土地はすぐに土壌が悪くなるので場所を変えてまた焼畑しなくてはならず、その度に新しい森林が対象となります。熱帯雨林は植物の生長が早いと言っても、生長を超える勢いで焼畑すれば大きな自然破壊になります。そして、今も広大な森林で自然破壊が進んでいます。
あるいは、畜産業の家畜糞尿による地下水汚染。狭い地域に大量の家畜を飼育することで処理しきれなくなった牛や豚、鶏などの糞や尿が垂れ流しになり、それが地下へ浸透して、飲み水となる地下水や地表を流れて河川を汚染します。ヨーロッパ諸国ではこれが大変な問題であり、それが故に大変厳しく家畜の飼育頭数を制限したり糞尿の処理について法律があります。
遺伝子組み換え作物(GM作物)が一般的に世界で利用されるようになり、系統の似た種族の植物と交雑してしまい、自然の摂理が狂うのではないかと懸念されています。例えば、特定の昆虫が死滅する遺伝子を持ったイネ科のGM作物が自然界の雑草と自然交配してしまい、それを食べた昆虫が死んでしまう可能性がないわけではありませんし、そもそも自然界に存在しなかった遺伝子型が広がる事も自然破壊といえなくはないでしょう。
農業とは元々自然の流れに逆らって人間のために役立つ自然を抜き出した産業です。ですから人間にとって大変都合のよい状態に保たれています。
近年の農業(特に欧州の農業)は、それだけでは駄目だ、自然にも目を向けるべきだという考えが広がり、やっと自然と共存できる形を模索し始めているのです。
それは即ち、人間の将来にも深くかかわってくるのです。
森林を焼き破壊するばかりの農業ではいつかできなくなります。
逆に、もし将来にも繰り返す事ができるのならば、焼畑農業も人間が生活するための手段として評価されても良いかもしれません。
家畜糞尿による水資源汚染も、結局、過剰な農業生産が引き起こすもの。しっかり管理していく必要があるでしょう。
このように、将来にもずっと問題なく営んでいける農業を持続可能な農業(Sustainable Agriculture)といいます。
さて、今回は人間の立場から考えて書き進めてきました。
自然保護というのは「自然」を「保護」するので、今回の観点は、持続可能な農業が中心だったかもしれませんね…。
日本の田んぼはこれからどうなっていくのでしょうか?
これからもずっと人間にとって有益な農業を続けていけるでしょうか?
少なくとも、20年前に田んぼで見かけた生物達が、今も同じ生活をしていない事だけは確かだと思います。
↓アグトレ応援のクリック、ありがとうございます。
今から20年も前、長野の田舎で良く目にした水田を住処にしている生き物達は、今もいるのでしょうか?
よく農業の役割のうちに「自然保護」というものが挙げられます。
その代表的な例として、水田の保水・洗浄効果、水生生物たちの生息域などがあり、そういった意味で農業は自然保護に役立っているとしています。
しかし、世界全体を見たときに、「農業」と言うのは「自然破壊」と大変強い結びつきがあることを思い知らされます。そして世界的には、農業は自然破壊をしている産業です。
いきなりこう書かれても納得できない人もいるでしょう。
例えば、熱帯雨林で頻繁に行われる焼畑農業。森林を焼いて開墾し、そこで作物を育てる農業です。熱帯の土地はすぐに土壌が悪くなるので場所を変えてまた焼畑しなくてはならず、その度に新しい森林が対象となります。熱帯雨林は植物の生長が早いと言っても、生長を超える勢いで焼畑すれば大きな自然破壊になります。そして、今も広大な森林で自然破壊が進んでいます。
あるいは、畜産業の家畜糞尿による地下水汚染。狭い地域に大量の家畜を飼育することで処理しきれなくなった牛や豚、鶏などの糞や尿が垂れ流しになり、それが地下へ浸透して、飲み水となる地下水や地表を流れて河川を汚染します。ヨーロッパ諸国ではこれが大変な問題であり、それが故に大変厳しく家畜の飼育頭数を制限したり糞尿の処理について法律があります。
遺伝子組み換え作物(GM作物)が一般的に世界で利用されるようになり、系統の似た種族の植物と交雑してしまい、自然の摂理が狂うのではないかと懸念されています。例えば、特定の昆虫が死滅する遺伝子を持ったイネ科のGM作物が自然界の雑草と自然交配してしまい、それを食べた昆虫が死んでしまう可能性がないわけではありませんし、そもそも自然界に存在しなかった遺伝子型が広がる事も自然破壊といえなくはないでしょう。
農業とは元々自然の流れに逆らって人間のために役立つ自然を抜き出した産業です。ですから人間にとって大変都合のよい状態に保たれています。
近年の農業(特に欧州の農業)は、それだけでは駄目だ、自然にも目を向けるべきだという考えが広がり、やっと自然と共存できる形を模索し始めているのです。
それは即ち、人間の将来にも深くかかわってくるのです。
森林を焼き破壊するばかりの農業ではいつかできなくなります。
逆に、もし将来にも繰り返す事ができるのならば、焼畑農業も人間が生活するための手段として評価されても良いかもしれません。
家畜糞尿による水資源汚染も、結局、過剰な農業生産が引き起こすもの。しっかり管理していく必要があるでしょう。
このように、将来にもずっと問題なく営んでいける農業を持続可能な農業(Sustainable Agriculture)といいます。
さて、今回は人間の立場から考えて書き進めてきました。
自然保護というのは「自然」を「保護」するので、今回の観点は、持続可能な農業が中心だったかもしれませんね…。
日本の田んぼはこれからどうなっていくのでしょうか?
これからもずっと人間にとって有益な農業を続けていけるでしょうか?
少なくとも、20年前に田んぼで見かけた生物達が、今も同じ生活をしていない事だけは確かだと思います。
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